2010.04.02
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僕が教師を目指したきっかけ

北海道真駒内養護学校 教諭 遊佐 理

つれづれ日誌第七期が始まりました。

今回は、1年の節目として、改めて自己紹介をしたいと思います。

僕は、宮城県仙台市出身です。
生まれてから大学を卒業するまでずっと仙台に住んでいました。

少年時代の僕は、いろんなものにあこがれ、その度に結構まじめにその職業になることを目指してきました。

それぞれ時期は違いますが、教師をはじめ建築士や理学療法士やパイロットになりたいと本気で思っていた時代がありました。
その証拠に、それぞれの職業になるために必要な資格の取り方やどの大学や専門学校に行けばいいのかを調べ、関連する分野の勉強を真剣にしていました。

僕の人生の中で、学校の先生になりたいと思った時期は2度ありました。

1度目は小学校3年生の時です。
その時期、あまり勉強には役に立たない知識(今でいえば、トリビアとか雑学の類)が蓄積され、周りから「物知り」と褒められたことがありました。その時は、単純に「学校の先生はとても物知りだから、学校の先生が向いているかもしれない」と思っていました。
蛇足ですが、その時の僕は「中学生は怖いから小学校の先生になろう」と思っていました。

2度目は、高校2年生の時です。
その当時、「いまを生きる」という映画を見ました。
その映画は、型破りな教員が高校生たちの心を変えていくという内容でした。
自分が何となくつまらない高校生活を送っていると思い込んでいたこともあり、その映画の世界にとても共感が持てました。

それをきっかけにして、英語の受験勉強をかねて「いまを生きる」の原作(英語版)を読んでみたり、何度もビデオを借りて映画を見たりしているうちに、自分もそんな先生になりたいな、と思うようになりました。
そこで、教育大学などの資料を集め、その資料の中にあった特別支援教育(当時は特殊教育と呼んでいました)の養成課程の情報が目にとまりました。
その時、表現しづらいのですが、直感で「特殊教育の教員が自分に向いている」と思い、その直感を信じて大学を受験しました。

大学入学当初、僕は、得意だった英語(現在は見るかげもありませんが…)を生かし、ろう学校の英語教師になりたいと勉強していました。
そんな中、ボランティアサークルに入り、そこで知的障害を持つ人たちやスタッフと触れ合う中で「自分には養護学校小学部の先生が向いている」と思い、2年生からコースを変更しました。2年生からのコース変更は、1年生と一緒に講義を受ける必要があり、ちょっと恥ずかしい経験でしたが、目標が明確になったので一生懸命勉強しました。

それから約20年。
高校2年生のときから教師を目指し、いろいろな経験を重ね、今に至っています。
振り返ってみると、あの時の直感は間違っていなかったと、そう思っています。



話は変わりますが、今年度、教育つれづれ日誌で執筆するにあたり、ふたつのことを念頭に置きたいと考えています。

ひとつめは、「笑顔で人と人をつなぐ」ということです。
それは、ちょうど1年前、第1回目で紹介した、自分が目標とする人が得意とすることでした。
ちょっとほほ笑ましいエピソードを交えながら相手の心をつかみ、気がついたら大きな輪ができていました。
今年度は、ちょっとほほ笑ましいエピソードを交えながら特別支援教育の情報を発信できれば、と思っています。

ふたつめは、「プロフェッショナル」ということです。
僕は、子供たちへの教育、特に特別なニーズを抱える子供に対する教育のプロフェッショナルです。
ただ、何をもって特別支援教育のプロフェッショナルとするのか、さまざまな要素がからんでくるので、自分の中で整理しきれていないところがあります。
今年度は、さまざまなことを整理しながら、プロフェッショナルとして特別支援教育に携わる仕事を紹介できれば、と思っています。


最後に、なぜ、自己紹介として教師になった理由について書いたのか…。

実は、つい最近まで、自分が教師を目指した理由をすっかり忘れていました。

最近、何かの拍子に、「いまを生きる」の映画のことを思い出し、高校2年生のころのことがフラッシュバックしたなかで、「あ、これが教師になったきっかけだ」と思い出しました。
もう忘れないようにという自戒も込めて、皆さんに紹介しました。

今年度もよろしくお願いします。

遊佐 理(ゆさ おさむ)

北海道真駒内養護学校 教諭
特別支援教育コーディネーターになって3年目。特別支援教育のプロフェッショナルとして、笑顔で人と人とをつなぐことを目指して頑張っています。

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