2010.01.25
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方言の持つ味わい

明石市立王子小学校 主幹教諭 原田 幸俊

 方言の持つ味なんて大袈裟なのですが、今から30数年前の大学生のころ寮生活をしていました。ここには様々な県からの寮生が暮らし、結構みんなお国言葉でしゃべっていたように思います。私が話す関西弁(といっても播州弁にちかい)が通じなかったり、相手が言うことが通じなかったりもしました。

 学生時代は、高知だったので土佐弁が共通語になりました。なんて事はないのですが、NHKの大河ドラマに登場する土佐弁が結構いろいろなところで飛び交っていような気がします。4年間も暮らしていると土佐弁はしゃべれなくてもそのイントネーションは体にしみこんでいきます。実家に帰ると「お兄ちゃんの話し方変」と笑われたものです。高知出身の同級生から見ると、変なアクセントで土佐弁のマネをしている程度なんでしょうね。その笑っていた妹も広島に嫁いで、今では変な福山弁をしゃべっています。

 そのころ同じ寮生の鹿児島の子が、小学校の時朝会で、共通語の話し方の練習がよくあったと話していました。40年前の話なので真偽の程は分かりませんが・・・。
江戸時代にさかのぼるとそれぞれの多くの藩があった関係もあって方言は非常に多く存在していてお国言葉となっていたのでしょう。

 私が新任の頃、研究授業で方言を使うと結構指摘をされました。確かに教科書にある言葉を方言で教えると問題があると思います。例えば「車の車輪」を「ごま」と表現したり、「えんぴつ」を「えんぺつ」など教えてしまうのは問題です。しかし、方言のいいところもあります。ちびまる子ちゃんに登場する先生の話しぶりは、実に先生らしくい特徴を捉えているのかも知れませんが、ちょっぴり違和感を覚えます。

 私が時々標準語的アクセントで授業を進めると子ども達は違和感を覚えるようです。やはりそのあたりは使い分けて指導していくことで、子ども達の学びにもつながるのかな?なんて思います。あんまり関西弁丸出しで、明石家さんまさんや伸介さんみたいにやるのも考えものですがね。でも私の学校で例えば、関東の出身の先生が同じ事をされてもそれはすんなり受け止められると思います。おもしろいものです。

 最近は、テレビの影響でそれぞれの地方で受け継がれてきた言葉が、どんどん消えていっているような気がします。言葉は変化していくものなのですが、ちょっぴり寂しい気がするのは私だけでしょうかね。そのうち「総合的な学習の時間」で方言に関する調べ学習なんて取り組みが必要になるかも(^o^)。

原田 幸俊(はらだ ゆきとし)

明石市立王子小学校 主幹教諭
小学校の低学年の教育に関心があり、細々と研究を続けています。特に生活科や幼少の連携について興味があります。韓国の教育についても低学年教育はいろいろ共通点が多く興味を持っています。

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