2009.10.28
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金釘流のイイワケ

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

私は字がヘタです。手書きの書類はできるだけ避けたいと思っています。

6年くらい前まで、定期考査ごとに教科担当の先生が手書きの成績原票を担任の先生に提出し、それを通知表に転記するという作業を行っていました。また、進学調査書も1年から3年までの学籍をすべて手書きで転記していました。それが今ではパソコンで入力されたものをプリントアウトすれば、ハイ、完成!

しかし、まだまだ先生という仕事は手書きの文字を書く機会が多いような気がします。板書からはじまり、テストの採点、学級日誌などのコメント、小論文課題の添削などなど・・・。どれもすべて苦手です。

生徒からよくこんな話をききます。
「野村先生の字は最初、何書いてるかわからないけど、1年もたてば自然にわかるようになるよ。」

現に、3年間ずっと私が担任だった生徒はかなり理解してくれます。

私の理想は思考と同時にそれが文字としてアウトプットされる状態。できもしないのに、やろうとするから自然と乱筆になってしまいます。

私の思考のクセは1年も接していればだいたい読めてくるようです。1年生より2年生、2年生より3年生の方がよく読めるのには以下の理由が考えられます。

私との接する時間が長いということは私との関係性に慣れるということです。つまり、私の思考の波にいっしょに乗ることができれば、理解できるようです。私の文字は会話やその場の雰囲気を可視化させた記号のようなものなのでしょう。音声言語の補助としてどんどん消費していくものなので「記録」には適しません。

しかし、この種のコミュニケーションはある程度コミュニケーション能力が成熟した高校生以上の世代でしか使えません。私の文字を読むというのは「私と対等なコミュニケーションを取る事ができる」という前提のもとにあるからです。小学生相手では思考スピードが全く異なるので無理です。

それにしても生徒たちは優しいですねぇ。ちゃんと私に「合わせて」くれてるんですから(笑)。

ただ、私も乱筆を正当化しようとは思いません。やはり、「記録のための文字」や手紙など「伝達を目的とした文字」は丁寧に書かなければいけないと思います。いつまでも苦手苦手と言わずに、まずは「丁寧に!」をモットーに愛情込めて書いていきたいと思います。

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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