2009.10.05
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地域のコミニティでつくる祭り

明石市立王子小学校 主幹教諭 原田 幸俊

 先日、岸和田市で行われただんじり祭りを見物に行きました。20台近くのだんじりが市内を引き回し、神社に宮入し安全を祈願するお祭りです。関西地域では曳き手が走り、速度に乗っただんじりを方向転換させる「やりまわし」やだんじりの屋根の上を威勢良く飛び跳ねる様子が有名で毎年沢山の観光客が見物に訪れています。当日も沢山の人の観光客に混じって私も見物しました。

 実際に目の前で見るとお囃子の音が聞こえ、曳き手などのだんじりを取り巻く人々の表情も間近に見ることが出来て感激でした。また、お祭りの様子を見たときにだんじりの曳き手の多さにびっくりしました。小さなな女の子から屈強な若者まで沢山の人達が曳いていました。厳ついお兄さんたちの集団が荒っぽく小さなつじをやりまわすテレビのニュースのイメージしかなかったので別な一面の発見でした。

 岸和田城の見学のために町の中を歩いたのですが、そこには町中で祭りを支える人達のすがたがありました。本当に地域の人達みんなでつくっている祭りだなと感じました。そこに呑み込まれていく自分の姿も合ったような気がします。

 私の住んでいる地域でも、秋の収穫時期になると御神輿とともに村々にある布団太鼓の屋台が練り歩きます。子どもの頃のそれをだんじりと同じように曳き、高学年になると屋台の中で太鼓の打ち手になり、大人になると屋台の担ぎ手として祭りに参加していきます。岸和田の祭りの様子を見ながら、そこにいる自分にフィードバックしたのでしょう。

 今では、担ぎ手不足で屋台は地域の自治会館のなかでその装飾だけが飾ざれているだけで祭りになっても自分の村の太鼓台が出ない寂しさもあり、祭りの見物にもあまり行かなくなったような気がします。自分たちの地域でも岸和田のように村をあげての祭りだったなと昔を懐かしんでいました。

 お祭りを通して地域が一体になっているそんな気がします。地域の結びつきも強くなり地域の人が顔と顔で繋がっていきます。どこにどんな子どもが住んでいて、どんな家族構成なのかどんなお仕事をされているのか。なんて事を顔を思い浮かべながらみんな分かっていました。今では人見知りする私ですが(^o^)、小さいときは村中の家におじゃまして、きなこご飯いただいていたようです。

 祭りを通して絆が深まり、地域全体で子どもが育っていっていたような気がします。
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原田 幸俊(はらだ ゆきとし)

明石市立王子小学校 主幹教諭
小学校の低学年の教育に関心があり、細々と研究を続けています。特に生活科や幼少の連携について興味があります。韓国の教育についても低学年教育はいろいろ共通点が多く興味を持っています。

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