2009.08.05
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進路指導における担任の「好み」とは?

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

高校三年生の担任をしています。先週から、三者面談が始まりました。面談の中心はもちろん、進路決定について。具体的な進学志望校を決めていかなければいけません。しかし、この志望校決定というのが非常に難しいのです。

一昔前ならば、模擬試験の偏差値を元に、「あなたの成績ならこのレベル!」とベルトコンベアー式に決まっていたもんでした。(実際、私の高校時代の進路指導もこんな感じでしたね・・)

ところが、15年前に比べて大学の数が増えました。そして、公募制推薦入試、何度も面談を繰り返し長期化するAO入試など、大学入試形態も多様化しています。受験関係の出版社の出す大学紹介本は電話帳よりもはるかに分厚いですし、高校の担任として各大学の特徴、入試形態などすべてを把握することは事実上不可能です。

生徒自身がしっかり将来の目標を持って、しっかり志望校選びが出来ている場合は何の問題もないのですが、「とりあえず大学に行きたいけど、どこがいいかわからない」といった生徒には、その生徒の特性に一番マッチした学校を薦めてあげなければいけません。

では、多くの担任教師はどのように生徒に進学先を薦めているのでしょうか?

ズバリ言いますと、ほとんどがその担任の先生の好みだと思います。

ただ、好みといっても誤解しないで欲しいのですが、要は、その先生が「知っている」範囲の進路指導しかできていないことが多いということです。

1学期、多くの大学の学生募集担当者が高校訪問をされています。その際に高校側の窓口になるのが、進路指導の分掌を持つ先生です。多くの大学関係者と接触する進路担当教師は自然と多くの大学の特徴を知ることとなり、後の学年会議などで情報を共有することになるのですが、やはり会議上間接的に聞くより、直接大学の方から話を聞くほうがその大学のことをよく理解することができます。それがすなわち先生の「好み」になっていくのです。

多くの大学の説明を聞いていて、色んな「好み」を持っている担任は良いのですが、「好み」の幅が狭い担任にあたると、非常に偏った指導になってしまいます。

すべての生徒は進路指導の機会は平等に与えられるべきです。しかし、現実は担任の「好み」に左右されることが多いです。私自身も決して幅広い「好み」を持っているとは言えません。生徒以上にまず教師が「大学研究」しなければいけないのかもしれませんね。

次回もこの話の続きを書いてみます。特に大学の生徒募集関係者に読んでいただきたいです。題して「高校の現場の先生が求める、高校訪問とは」です。 お楽しみに。

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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