2009.07.07
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アンズの収穫  そんなに、給食に頼らないで・・・

東京都 栄養教諭 宮鍋 和子

「来週まで、もたないだろう」「今日、収穫しちゃおう」
学校の杏の木に青い実がなり始めたのは5月。やがて、ひとつ、ふたつとオレンジ色に色づき初めると、給食室は、ちょっと、そわそわ、ドキドキ。
「いつ収穫かしら?」
「今年はどのくらいとれるのかしら?」
「何に使うの?」「今年もジャムにするのかしら?」
そんな心配が伝わったのか、予定より1週間も早く収穫作業が・・・
「来週、ジャムにする予定で、献立は組んであるのですが、今日、採っちゃうんですか?」
「採るよ。週末、雨が降ったら、みんな、落ちちゃうだろう」
「そうですか。早速、献立組変えます」
「今週は、だめだよ。6年生が宿泊行事で、いないから。自分たちがいないときに食べちゃったら、怒るだろう」
「えっ?収穫した杏、来週まで保たすんですか?」


80kg近い実から使えそうな実を選別。40kgの杏が給食室に届けられました。
あまりの多さに、調理員さんと、唖然。
朝から3人がかりで3時間、最後はもう一人ヘルプを呼んで4人で作業しても半日で10kg。傷んでいるところを切っては種をとるという地道な作業が続きました。
今年の杏はちょっとすっぱめ。「去年は甘っかたのになぁ」生の実をかじりながら残念そうな副校長。それでも、どうにかおいしいジャムができあがりました。

結局、その日のうちにジャムを作り、冷蔵庫で保存。翌週、再び加熱をしたのち、ケーキに焼き込むという荒技を。当日調理が基本の学校給食。子どもたちの反応もさておき、おなかをこわす子が出ないか、まだまだ、どきどきが続いた杏の収穫でした。

「たくさんつくって、秋まで保たせられないの?」
副校長!なんでも、給食に頼らないでください!!
総合とか委員会で取り組みましょうよ・・・

宮鍋 和子(みやなべ かずこ)

東京都 栄養教諭
定時制高校、聾学校(高・専)、中学校と勤務し、2007年春より小学校に勤務することになりました。学校給食を通して、子どもたちと一緒に、成長できたらと思います。

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