2009.03.25
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オーストラリアのカウラに行ってきます

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

この記事が掲載される日の3月25日から5日間、オーストラリアに生徒を連れて行ってきます。その目的はカウラ事件についての現地学習。昨年11月19日の記事でカウラ事件についての学習を授業で行っているということを書きましたが、色々と調べているうちに「直接現地で色々調べたい!」と思うようになりました。

今回のカウラ行きの目的は大きく分けて次の2つです。
1.オーストラリア人のカウラ事件に対する認識の聞き取り調査
2.カウラ事件日本人墓地の慰霊

1について。オーストラリアに1年間留学していた生徒が向こうで使っていた1冊の歴史教科書を見せてくれました。その教科書には1ページにわたってカウラ事件に関する記述がありました。
そしてその記述に対する設問として
「なぜ多くの日本人が自殺、あるいは自殺未遂の行動を起こしたのか?」
というものがあります。

実に難しい内容です。前回も書きましたが、カウラの日本人捕虜脱走は、収容所から逃げて生き延びるためのものではなく、「死ぬこと」が目的でした。このことは当時の日本人としては特殊な考えではありません。しかし、オーストラリア人にとっては到底理解しがたい行動だったようです。「日本人捕虜に対して、十分な衣食住環境と余暇を与えているのに・・・」

この問いは日本の高校生にとっても難しいと思います。今回、カウラにある高校の授業にお邪魔することが出来るので、その際にこの問いについてのインタビューしたいと思っています。果たしてオーストラリアの高校生はどのように捉えているのか?楽しみなところです。

2について。カウラにある日本人墓地へ慰霊を計画しています。その際、私たちが昨年より交流を続けているカウラ事件の生存者である元日本兵の方の弔辞を録音したものを墓前で流せればと思っています。本来ならば、その生存者の方といっしょにカウラへ行きたかったのですが、高齢のため叶わず、「せめて声だけでも」ということで思いつきました。

私自身、英語はほとんど話せず、不安も多いですが、無事に旅程をこなすことができればと思っています。それでは、行ってきます!

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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