2009.02.25
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きざはしの式

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

山陽女子には毎年、卒業式の2日前に行われる「きざはしの式」という行事があります。全校生徒がグラウンドを学年毎に囲むように隊列をなしてグルグルと歩くという見た目一風変わった行事です。「きざはしの式」は100年以上続く伝統ある行事でかつ、全国の学校で同様のことを行っているということを聞いた例がありません。そこでこの式の起源を調べてみました。

今からちょうど120年前の1889年、一人の若い女教師が山陽女子の前身、山陽英和女学校に赴任しました。まだ18歳の教師の名は上代淑(かじろよし)。その後、1894年一旦辞職してアメリカのマウント・ホリヨーク大学に留学しました。4年の課程終了後、帰国した上代淑は全国各地の学校からの招きを断り、再び山陽英和女学校の教師となりました。

この留学の際、マウントホリヨーク大学から持ち帰った行事が「きざはしの式」です。きざはしとは階段のことを言います。きざはしの式は卒業生が最上級生の位置を在校生に譲り渡し、在校生が上級生になるにあたってその階段を登る、という儀式です。現在は階段はなく、平面上のグラウンドでの移動になっていますが、セブンシスターズのひとつにも数えられるマサチューセッツ州の名門大学で、1837年女子教育者メリー・ライオンによりアメリカ最初の女子大学であるマウントホリヨーク大学での行事が現在まで伝わっていることに驚きました。

本家、マウントホリヨーク大学で「きざはしの式」が行われているかわかりませんが、今年も上級生から下級生へ伝統のバトンが受け継がれます。

写真はわかりにくいですが、きざはしの式の様子。
File1.jpgFile2.jpg

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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