2009.01.28
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海ゴミ

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

今、山陽女子高校で熱い文化部のひとつに「地歴部」があげられます。しかし、地歴部と聞いてピンと来る方はそう多くないと思います。「地理と歴史に関する研究」を行う部活動なのですが、ここまで聞いて、とても地味な印象を受けたでしょう?

ところが、山陽女子の地歴部はみなさんが想像するような地味な部ではありません。部の名前こそ「地歴」ですが、環境問題についての調査・研究を重点的に行っています。今年度のテーマは「海ゴミ」。海ゴミには海岸に到達する漂着ゴミと海中に沈んでします海底ゴミがあります。漂着ゴミは日本中の多くの海岸で問題となり、その回収と処分に多大な労力と費用がかかり、苦慮されています。海底ゴミは人間の目には見えませんが、不法投棄を含めて多くの家庭ゴミがあります。地歴部ではそれらの現状と対策をレポートする為に現場を調査しました。

部員たちは海ゴミ回収をされている漁船に乗せてもらい、沖合まで出て底曳網漁業で海底ゴミを引き上げました。回収品の全てが陸上から人間により捨てられた物ばかりであり、驚かされました。ビニール袋などの軽いものも長い期間海上を漂うことで劣化して沈んでいたのです。回収物は持ち帰り、計量して種類別に分類し、文化祭で展示発表を行いました。

海底ゴミの大部分は人間の生活から出されたゴミです。プラスチックやビニールのゴミが多く、決して分解されてなくなることはありません。部員たちは、私たちの生活は豊かで快適となりましたが、地球が悲鳴をあげていることを感じていたようです。

これらの活動は、様々なところから評価され、11月に行われた「全国高校生集会」での岡山県推薦レポートとして全国の高校生の前で発表しています。また、日本テレビ系列の「ズームインスーパー」でも活動の様子が紹介されました。

まだ海底ゴミに対する認知度が低いことから、世間に対してもしっかり啓発活動をしていきたいと地歴部ではこれからも活発な調査・研究を行っていくようです。

写真は水揚げされた海ゴミ。
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野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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