2008.12.05
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「ここのつ」「く」「きゅう」

津田塾大学 国際関係学科4年 おおうみ のぼる

先日、体験学習に来た生徒を担当しました。
まだ小学生のその子は
「先生、先生」
と人懐っこく呼んできます。
ところで彼は、数日前に日本に着たばかりの韓国人。

★ ★ ★

国語でも算数でも、問題を解くときには必ず「外国語」に突き当たります。
ですが、彼は難なくこなしていきます。

わたし「これは何て読むかな?」
生徒A「きゅうつ?」
わたし「(意味ありげな視線を送る)」
生徒A「…………あ、ここのつだ!」

これは相当なレベルです。
勉強は好きかと尋ねると「ゲームみたい」とハキハキ。

韓国は受験が大変だ、とよく言われます。
しかし、楽しんで学んでいる彼を見ていると
問題なのは学歴社会ではなく、楽しんで学べないことなのかなと思えてきました。

★ ★ ★

授業後、他の講師たちと話をしました。

わたし「彼、すごいですよ。
     九をここのつとくときゅうって読めるんですよ」
講師A「ええー! しかも楽しそうに勉強してましたよね。
     声がキラキラしてたの、聞こえましたよ」

どの子もそんな声にできたらな。

おおうみ のぼる(おおうみ のぼる)

津田塾大学 国際関係学科4年
2005年4月、自転車サークル「なかよしさいくる」に入会。同年6月、文芸サークル「無知の知」を創設、現会長。 書くことに自分勝手な塾講師。

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