2008.12.04
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ニュートンのリンゴとメンデルのブドウ

横浜サイエンスフロンティア高校 生徒支援センター主任 植草 透公

夜空の星が綺麗に輝く季節になりました。
北半球に住む人々は、みんなこの星を見ていると思うと、不思議な気持ちになってきます。YSFHの天体望遠鏡ならもっと多くの星を見ることができるのでしょうね!楽しみです。

Sir Isaac Newton(1643-1727)は、リンゴの実が落ちるのを見て、なぜ月は地球に落ちてこないのかと不思議に思い、その原因を考えた末に「万有引力の法則」を発見したといわれています。ニュートンもまた、この同じ夜空を見上げていたのですよね。一般的に「サイエンティスト」といえばとてもクールなイメージですが、夜空を見上げて考えているニュートンを想像すると、「彼はきっとロマンティストだったんじゃないかな」、と思います。

常任スーパーアドバイザーである和田昭允博士のお計らいにより、ニュートンのリンゴとメンデルのブドウの苗が、東京大学から横浜サイエンスフロンティア高校に寄贈されることになっています。
“ニュートンのリンゴ”は、英国ウルスソープにあったSir Isaac Newtonの生家の庭に残っている親株に由来します。その接ぎ木苗が1964年に英国の国立物理学研究所長Sir Gordon Sutherlandから東大理学部化学科の教授だった水島三一郎博士を通じて日本学士院に寄贈され、東京大学大学院理学系研究科附属植物園で育てられ、現在大きく育っています。今回寄贈される苗は、このリンゴの木から枝分け接ぎ木したクローンです。
“メンデルのブドウ”は1913年、東大理学部植物学教室の教授だった三好学博士がメンデルの遺跡を訪れ、そのブドウ株の一枝を記念として東京に送ってもらい、同植物園で挿し木した結果うまく活着・生育しました。現在、“メンデルのブドウ”と表示されたブドウ棚で勢いよく生育し、毎年秋には、かすかに紫色を帯びた実を結んでいます。今回寄贈される苗は、同植物園にあるブドウの木を挿し木したものです。

同植物園の方のお話だと、うまくいけば4~5年で花が咲き、実を結ぶ可能性もあるそうです。是非、ニュートンのリンゴが落ちる瞬間を見てみたいものです。
ロマンのある話でしょ!

写真の説明
上:YSFHに植樹される予定のニュートンのリンゴの苗木
中:YSFHに植樹される予定のメンデルのブドウの苗木
下:現在のYSFH(まもなく完成!!)

横浜サイエンスフロンティア高校ホームページ
http://www.city.yokohama.jp/me/kyoiku/sidou2/koukou/sfh/
【関連記事】実践の場から:地域が取り組む教育改革
http://www.manabinoba.com/index.cfm/6,10248,14,1,html
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植草 透公(うえくさ ゆきまさ)

横浜サイエンスフロンティア高校 生徒支援センター主任
平成21年4月に開校する横浜サイエンスフロンティア高校(YSFH)の開設準備を担当しています。

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