2008.11.05
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内田洋行さん訪問記―粋なオフィスビルを見て考えたこと

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

10月はじめ、修学旅行の引率のため、東京へ行ってきました。岡山へ帰る旅程最後の日、半日だけ自由になる時間がとれましたので、八丁堀にある内田洋行オフィスにおじゃましてきました。

私はかなりの方向音痴で、特に地下鉄の出口が大の苦手。地図があっても迷います。そこで、事前にいつもお世話になっています担当Hさんに、最寄の駅とそこからの辿り着き方を教えていただきました。そのメールをプリントアウトしたものが頼り!

地下鉄日比谷線八丁堀駅をおり、川を探します。すぐに見つかりました。川にかかっている橋の名前は「高橋」。お、近いぞ。住居表示に「新川」という文字が現れました。目的地はもうすぐそこです。ほどなくして内田洋行さんのオフィスビルを発見! 一度も迷うことなく到着しました。

道に迷うことを想定して、訪問時間を設定したのですが、こんなにスムーズに着くとは思わず、約束の時間より30分も早く到着してしまいました。忙しい業務の合間に私の相手をしてくださるので、時間に早すぎるというのもあまり良いことではありませんが、受付で快く迎えていただきました。

受付でお会いしたSさんに加え、9月までつれづれ日誌の執筆者でもありました山田智之さんや、担当のHさんらとビル内の様々な部屋を見学させていただきました。

オフィスを見学させていただきながら考えたこと・・・

失礼ながら、内田洋行さんのビルは新しいものではありません。しかし、その古さを「味」として活かしつつ、機能性を追及したモダンなオフィスにアレンジされています。まさに「コレだ!」と思いました。

高度成長期、日本の学校の校舎は無機質な鉄筋コンクリート構造のものが次々と建てられました。それは木造校舎の老朽化に代わるものとして、そして急増する児童・生徒に対応するための規模を満たすために必要なことでした。

その高度成長期に建てられた鉄筋校舎が今、老朽化してきています。耐震性に問題があるものも多いでしょう。山陽学園も例外ではありません。しかし、工事中の代替地の問題など、40数年前に立てられた大規模な鉄筋校舎を一気に建て替えることは中々できません。そこで、建て替えるのではなく、現在のニーズに合わせた形でのリニューアルを行えば良いのです。これなら工事の期間も短い上に予算もはるかに少なくて済みます。

また、「高度成長期文化」の保護という観点からも校舎リニューアルというのは良い方法だと思います。現在、高度成長期の建築物に文化的意義を考える人は少ないのですが、機能第一主義で極端に装飾を廃したスタイルもやがて建築文化の研究対象になるはずです。

話は横道にそれてしまいましたが(オフィスビル、工場、校舎など産業建築物の歴史にも興味を持っているもので・・・)とにかく、老朽化した大規模な鉄筋校舎を低予算で活用するヒントが見つかりました。これからの校舎はその学校の生徒のためだけのものではありません。例えば学校で授業の無いときなどに各種文化セミナーを積極的に開講し、日ごろお世話になっている地域のみなさまに還元する、というアイディアも浮かびます。(幸い、山陽学園は岡山市街地にありながら比較的広い敷地を有するため来客用駐車場用地なども豊富にあります)

今回の訪問は短い時間でしたが、忙しい中、わざわざ私のために時間を割いていただいたSさん、山田さん、Hさんと共に色々なお話をすることができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。また、とても素敵なオフィスビルを見学させていただき、学校作りへの新たなインスピレーションを感じることができました。本当にありがとうございました

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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