2008.10.22
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

10月18日という特別な日

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

10月18日は毎年特別な日です。それは私が勤める山陽学園の創立記念日。今年は創立122年というわけで、大きな周年行事もなく静かに過ぎていきそうですが、ちょうど1年前の10月18日は生涯忘れることができないほどの1日になりました。

昨年の10月18日の創立記念式典の記念講演の講師に、山陽学園の在学中に東京オリンピックの水泳競技に出場し、山陽学園の理事でもある木原光知子さんをお願いしていました。しかし、講演の5日ほど前、法人事務局に木原さんのマネージャーの方から電話があり、急病のため当日の講演はキャンセルしたいとの連絡を受けました。そのときは最近多忙と聞いていましたので、体調を崩されたのかな?という程の認識しか持っておりませんでした。

10月18日当日。記念講演は代わりの方にお願いし、滞りなく行事をこなし、休憩をしていた午後の時間、私の携帯に着信が。報道関係の知人からでした。

「木原さんが亡くなったという情報が入ったが本当なのか?」

「は?何のことですか?」
予想もしていなかった話に何も答えることができませんでした。しばらく情報の真偽の確認ができませんでしたが、知人からの第一報から1時間後、テレビのニュース速報で木原さんが亡くなったということが真実だということを知りました。


8月30日、学園教職員が一同に集まる懇親会の場で、私は木原さんと学園の広報について語り合っていました。私が、岡山という一地域だけでなく、全国に学園の教育について広報する良い方法が無いだろうかと木原さんに話すと、「私はこれでも有名人のカンバン持ってるから、いくらでも山陽学園の宣伝マンになるよ。野村くん、どんどん私を利用しなさいよ!」と、思ってもみなかった返事をいただきました。そして「この携帯にいつでも電話して、相談に乗るから!」と名刺を差し出してくださいました。木原さんが亡くなる1ヶ月半前のことです。

次年度から発足させる「広報戦略室」の立ち上げ準備にかかっていた頃でした。色々と木原さんに相談したいことがありましたが、日々の仕事に追われて中々じっくり連絡をとる時間もありませんでした。そしてついに木原さんに一度も電話をすることなく10月18日を迎えてしまいました。

山陽学園の創立記念日である10月18日に講演を予定しており、その日に亡くなった、山陽学園が誇る卒業生である木原光知子さん。木原さんの訃報は大ニュースとなり、皮肉にも山陽学園の名前も多くのメディアに登場すると同時に、学校のwebページも過去最高のアクセス数を記録しました。

木原さんが亡くなってから1年が経過しました。日々、広報のことから頭が離れない毎日ですが、いつも木原さんの「何、モタモタしてるのよ!広報はスピードが命よ!」という叱咤激励が天から聞こえてくるような気がします。10月18日という特別な日を迎えるにあたって、1年前の出来事を回想してみました。

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop