2008.10.06
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うれしのカーニバル

明石市立王子小学校 主幹教諭 原田 幸俊

うれしのカーニバルとは,本校が運動会の時期にそれに変えて実施している行事です。カーニバルといえばリオのカーニバルを想像される方も多いと思います。灼熱の太陽の下で繰り広げられるサンバダンスは皆はじけていますね。カーニバルを辞書で調べてみると謝肉祭が転じてにぎやかなお祭りさわぎを伴う催し「○○カーニバル」と出ています。本校のうれしのカーニバルは,決してお祭りではないのですが,単なるスポーツイベントというより子どもたちのエネルギーがはじけている様子からそんなネーミングになったのかもしれません。
 
 種目はというと各学年ともリレーがあります。1年生もリレーです。1,2年が徒競走ではないというのも特徴かもしれませんが,事前に各クラスの全体のタイム調整をします。いいかえれば,カーニバルに向けてどれだけ頑張ったか。クラスとしてどれだけチームワークを考えて練習したか・・・なんていうところが重要になるのです。

 全校生による綱引き,1~3年生による玉入れ,4~ 6年生による大玉送りリレー(大玉転がしのでっかい玉を)といった種目が並びます。これは,普段うれしのスポーツと呼んで特別活動の一環で実施している活動の延長線上で行われるものです。まさに,普段の頑張りの集大成としてのぶつかり合いなのです。

 そしてなんといても総合学習の学びの中で展開される教育活動の発表の場としての色別ミュージカルは圧巻です。本校は各学年3クラスずつありますのでそれを3年生以上で赤・青・黄の3つのチームに分けそれぞれミュージカルを発表します。これは,お話づくりから始まり,脚本そして動きづくり,衣装づくり全てを子どもたちが総合学習を中核とした学びの中で作り上げていきます。そこでは,縦割り活動ならではの子ども同士の関わり合いも深まっていきます。赤組「守り抜け紅輝山~万物の絆~」,黄組「聖耀虎~未来への希望~」,青組「海に輝く誠珠~素直な心を取り戻せ~」という題名のもと,身体,音楽,言語,造形が一体となった表現として仕上がっていくのです。

 始めてみられた方は,うれしのカーニバルでの表現を見て感動して帰られるのですが,この結果も大切なものなのですが,それまでにいたる作り上げていく中での関わりを大切にしている活動だと考えています。
 
 そのベースには,低学年ミュージカルがあります。色別ミュージカルに触れながら自分たちもあんな表現がしたいという思いも重ねながら,低学年らしく表現そのものを楽しんでいました。題名も1年生「ようこそどうぶつむらのおまつりへ」,2年生「夜になったらこんにちは~ドキドキ!ガラスの絵が動いたら・・・?~」低学年らしいものになっています。
 
 カーニバルを終え,子どもの表情は,やりきった満足感と表現しきった充実感であふれ,力を出し合って精一杯競い合い,互いを認め合う中に,一人ひとりが喜びを感じられるカーニバルとなりました。

 そんなところからもカーニバルのネーミングなのでしょう。

原田 幸俊(はらだ ゆきとし)

明石市立王子小学校 主幹教諭
小学校の低学年の教育に関心があり、細々と研究を続けています。特に生活科や幼少の連携について興味があります。韓国の教育についても低学年教育はいろいろ共通点が多く興味を持っています。

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