栄養教諭・管理栄養士の実習が終わりました。
1週間という短い時間に、どれだけのことを学べるのかと心配でしたが、4人ともそれなりの成果を得られたようでほっとしています。
研究授業では、少々まごつくところもありましたが、学校長より「授業が成功したとか失敗したとかではない。実習では、子どもたちをどのように見られるようになったかが大切。」とのお言葉をいただき、さらに“実習”の意味を感じることができたことと思います。
実習が始まり、「栄養教諭って何なの?」という質問を多くの先生からいただきました。「食育推進のための中心的担い手としてできたもので、今の私の仕事に、子どもや、先生、保護者、地域の方への食育活動が求められるのと、東京は、他校への食育推進のアドバイザーの役割もあるので、1週間の内3日は教育委員会へ出向き、残りの2日を配属校で勤務。だから、土日も出勤しないと、配属校の仕事さえ間に合わない状態みたいですよ・・・」と、ここまで言うと、「仕事が、2倍になるって言うこと?」と驚かれます。
現在、全国に約1800人の栄養教諭が配属されています。北海道、鹿児島、兵庫、大阪、京都では、希望するすべての栄養職員(正規採用者)が栄養教諭へ任用替えされる方向であり、既に全員が栄養教諭となった自治体もあります。
東京は、1224名の学校栄養職員を抱えながら、今年度、やっと5名が配置されたにとどまりました。せっかく栄養教諭の資格をとっても、東京での採用はなかなか厳しいことから、大学における、栄養教諭免許取得希望者は少ないそうです。また、東京における栄養教諭免許取得のためのカリキュラムは、今年度9月にやっと大学側に提示され、大学側としても「栄養教諭」とはどんなことが求められているのかがわかったという段階です。(大学側のカリキュラム作り直しの都合で、今年の実習が取りやめになったという話が学校栄養士の間でも話題になっていました。)
どんな形であれ、子どもたちの「食」や「健康」、しいては、日本の「食」の未来を担う「給食」を引き継いでくれる若い世代が、しっかりと学べる場を、そして、学んだ力を活かせる職場を確保できるよう、私たち現場の栄養士が、まだまだ、がんばっていかなくてはいけないのかなぁと感じました。
実習生を受け入れ、私自身も改めて、栄養教諭として学校の中を見る“視点”を気づかせてもらえました。職場の先生方から「「食育」の大切さがわかった」との感想を多く頂戴できたことも、実習生のまっすぐなまなざしと、栄養“教諭”としてのまなざしを常にもって校内を見て回り、授業にその成果を活かしてくれた実習生の熱意であると感謝しています。ベテラン栄養士の新たな気づき、学生の若い新鮮な感想と感動。一度に4名もの受け入れは大変ではありましたが、本校にとっては、子どもたちにとっても、教職員にとっても、とてもよい機会であったと思います。
実習生の皆さん、本当にお疲れ様でした。
そして、受け入れてくださった教職員のみなさん、ありがとうございました。
仕事の量は増えても、未来につながる一歩として、学校栄養職員も、栄養教諭も、全国で、これからもがんばっていくと思います。諸先輩の先生方、温かいまなざしと、応援!よろしくお願いいたします!!
2008年度栄養教諭の配置状況
(2008年4月1日現在 文科省作データより)
北海道261 青森 6 岩手 32 宮城 25
秋田 8 山形 12 福島 20 茨城 36
栃木 22 群馬 14 埼玉 15 千葉 15
東京 5 神奈川12 新潟 32 富山 8
石川 11 福井 32 山梨 5 長野 20
岐阜 4 静岡 3 愛知 67 三重 72
滋賀 15 京都122 大阪139 兵庫285
奈良 20 和歌山 3 鳥取 3 島根 29
岡山 21 広島 10 山口 32 徳島 25
香川 19 愛媛 57 高知 19 福岡 70
佐賀 10 長崎 33 熊本 30 大分 14
宮崎 16 鹿児島163 沖縄 14
合計 1886名
1週間という短い時間に、どれだけのことを学べるのかと心配でしたが、4人ともそれなりの成果を得られたようでほっとしています。
研究授業では、少々まごつくところもありましたが、学校長より「授業が成功したとか失敗したとかではない。実習では、子どもたちをどのように見られるようになったかが大切。」とのお言葉をいただき、さらに“実習”の意味を感じることができたことと思います。
実習が始まり、「栄養教諭って何なの?」という質問を多くの先生からいただきました。「食育推進のための中心的担い手としてできたもので、今の私の仕事に、子どもや、先生、保護者、地域の方への食育活動が求められるのと、東京は、他校への食育推進のアドバイザーの役割もあるので、1週間の内3日は教育委員会へ出向き、残りの2日を配属校で勤務。だから、土日も出勤しないと、配属校の仕事さえ間に合わない状態みたいですよ・・・」と、ここまで言うと、「仕事が、2倍になるって言うこと?」と驚かれます。
現在、全国に約1800人の栄養教諭が配属されています。北海道、鹿児島、兵庫、大阪、京都では、希望するすべての栄養職員(正規採用者)が栄養教諭へ任用替えされる方向であり、既に全員が栄養教諭となった自治体もあります。
東京は、1224名の学校栄養職員を抱えながら、今年度、やっと5名が配置されたにとどまりました。せっかく栄養教諭の資格をとっても、東京での採用はなかなか厳しいことから、大学における、栄養教諭免許取得希望者は少ないそうです。また、東京における栄養教諭免許取得のためのカリキュラムは、今年度9月にやっと大学側に提示され、大学側としても「栄養教諭」とはどんなことが求められているのかがわかったという段階です。(大学側のカリキュラム作り直しの都合で、今年の実習が取りやめになったという話が学校栄養士の間でも話題になっていました。)
どんな形であれ、子どもたちの「食」や「健康」、しいては、日本の「食」の未来を担う「給食」を引き継いでくれる若い世代が、しっかりと学べる場を、そして、学んだ力を活かせる職場を確保できるよう、私たち現場の栄養士が、まだまだ、がんばっていかなくてはいけないのかなぁと感じました。
実習生を受け入れ、私自身も改めて、栄養教諭として学校の中を見る“視点”を気づかせてもらえました。職場の先生方から「「食育」の大切さがわかった」との感想を多く頂戴できたことも、実習生のまっすぐなまなざしと、栄養“教諭”としてのまなざしを常にもって校内を見て回り、授業にその成果を活かしてくれた実習生の熱意であると感謝しています。ベテラン栄養士の新たな気づき、学生の若い新鮮な感想と感動。一度に4名もの受け入れは大変ではありましたが、本校にとっては、子どもたちにとっても、教職員にとっても、とてもよい機会であったと思います。
実習生の皆さん、本当にお疲れ様でした。
そして、受け入れてくださった教職員のみなさん、ありがとうございました。
仕事の量は増えても、未来につながる一歩として、学校栄養職員も、栄養教諭も、全国で、これからもがんばっていくと思います。諸先輩の先生方、温かいまなざしと、応援!よろしくお願いいたします!!
2008年度栄養教諭の配置状況
(2008年4月1日現在 文科省作データより)
北海道261 青森 6 岩手 32 宮城 25
秋田 8 山形 12 福島 20 茨城 36
栃木 22 群馬 14 埼玉 15 千葉 15
東京 5 神奈川12 新潟 32 富山 8
石川 11 福井 32 山梨 5 長野 20
岐阜 4 静岡 3 愛知 67 三重 72
滋賀 15 京都122 大阪139 兵庫285
奈良 20 和歌山 3 鳥取 3 島根 29
岡山 21 広島 10 山口 32 徳島 25
香川 19 愛媛 57 高知 19 福岡 70
佐賀 10 長崎 33 熊本 30 大分 14
宮崎 16 鹿児島163 沖縄 14
合計 1886名



宮鍋 和子(みやなべ かずこ)
東京都 栄養教諭
定時制高校、聾学校(高・専)、中学校と勤務し、2007年春より小学校に勤務することになりました。学校給食を通して、子どもたちと一緒に、成長できたらと思います。
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