2008.09.02
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栄養士・栄養教諭実習生の受け入れ 調理作業はできません

東京都 栄養教諭 宮鍋 和子

[4名の実習生]

栄養士、栄養教諭と、9月に4名の実習生を受け入れることになりました。
栄養教諭の実習は、都立高校で既に学校栄養職員として勤めている大!大!先輩2名と大学生1名、それに管理栄養士の実習1週間と栄養教諭の実習1週間をする大学生1名。
栄養教諭の実習って何をするの?から始まり、人数の多さに訳がわからなくなっていた8月。どうにかこうにか日程を決めた矢先、運動会に向けての特別時間割が提案され、8月末の打ち合わせでは、大学の教授から「9月15日頃に東京都の栄養教諭免許取得について説明が出ることになったので、実習の中身はその内容に沿ったものにしたい」との要望。
栄養教諭に求められる職務内容をたった1週間で感じ取ることはとても不可能!!
校長もそのあたりは心得ており、「15日に出たら出たで、対応すればいいので・・・」ということで9月受け入れを承諾いただきました。

[なにを学ぶのか]
 栄養教諭は、通常の給食運営の仕事に、食育に関する仕事が付加されてきます。既に栄養士として勤めている2名に関しては、給食運営については日常業務としてこなしておられ、実習1週間を“教諭”として集中して勉強していただくことができます。また、管理栄養士の実習を1週間実施した後、栄養教諭の実習に入る1名についても、さわりだけとはいえ、給食運営と栄養教諭としての職務を観てもらえるのではないかと。残るは栄養教諭のみ1週間の実習に来る学生。はてさて、どのように日程を組んだらいいものか、何を学んでいってもらえることやら・・・

[現場を知らない栄養士]
 学校給食に全く初めてたずさわる学生には、給食現場も体験していってほしいと思う一方、給食調理業務を民間に委託している本校では、委託調理員と一緒の調理作業はできません。衛生管理の基準等と見比べ作業工程を確認してもらうのみになってしまいます。

現場で調理に携わってきた栄養士も委託に伴い現場を離れるようになりました。採用されてから、ずっと、委託校に配属されてきた若手栄養士にとっては、給食調理現場は未知の世界になりつつあります。現場を知らないというのは、とても困った問題を生じてきます。
机上で立てた献立を調理員に示したときに、その作業工程に無理が生じたり、また、調理員から言われる要望に適切な判断をくだせず、調理の失敗を招いたり、逆にできる作業が省かれ、子供たちに手抜きの料理が行き渡ることになることも・・・

[共に築く]
 調理員と一緒に築き上げてきた学校給食が分業化され、栄養士は、栄養士、調理員は調理では、本当によい給食はできません!!栄養士も調理員によって、育てあげられる所があることを、現場を知らない栄養士との会話の中に強く感じることがあります。最終的に、子供たちが毎日口にする給食の質が下がることがないよう願うばかりです。

宮鍋 和子(みやなべ かずこ)

東京都 栄養教諭
定時制高校、聾学校(高・専)、中学校と勤務し、2007年春より小学校に勤務することになりました。学校給食を通して、子どもたちと一緒に、成長できたらと思います。

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