2008.07.08
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1年生対象親子料理教室を終えて  牛乳について

東京都 栄養教諭 宮鍋 和子

「せんせい!おいしい」試食をしながら子どもたちが声をかけてくれます。今日は、1年生対象の親子料理教室。久しぶりの調理実習、しかも、1年生!!ということで、てんやわんや。メニューは、「びっくり目玉焼き、五平餅、鮭のヨーグルトソースかけ」
どれも牛乳・乳製品を使った一品で、料理自体はと~ても簡単なのですが・・・

「だいじょうぶだから、ほら、入れてごらん!」お玉にすくった寒天液をなかなかカップに注げない子。「いやぁ!こわい!」「こぼれる!」しばらく固まっています。
「だいじょうぶだから」「こぼれても、ほら、お皿の上でしょ」
みんなに励まされ、息を止めて「エイッ!!」
「お~上手に入ったねぇ」 1人3個担当です・・・

「残ったチーズが気になっているみたいなんですが・・・」
五平餅にのせるチーズを型抜きした後のチーズ。しっかりとにぎりしめて、次の作業に移れないとのこと。「後でたべていいよ」というと“にこっ”と笑い動き始めます。

「わア~!!包丁を使うから、ふざけちゃ駄目だよぉ」
ちょっと手持ち無沙汰になった子どもが調理室で遊び始めます。「じゃあ、お手伝いしてくれる?」というと「やったぁ!」という顔で付いてきます。

お母さん方の手際がよく、予定の時間よりずっと早く進んだ調理実習。ゆっくりと試食をすることができました。

「お家でお手伝いをしていると思う人は○、あんまりしていないなぁと思う人は△、ぜんぜんしないよという人は×。お母さんも1年生のみんなも一斉のせであげるよ」
バッとあがったサインはほとんどが○と△。親子で手の形を見てウフフ。×をあげた親子もウフフ。「お皿を並べる。牛乳を運ぶ。こんなことからでも、お手伝いをしてみましょうね」と声をかけました。

 足立区にいた際は、同じ栄養士仲間が集まって「スカラーママ」というグループを作り、いろいろな学校で栄養や健康の話、調理実習などを続けてきました。(今年で14年目という会で、足立に異動した際に先輩栄養士に誘われて参加を始めました)墨田区に異動して昨年はバタバタと1年が過ぎ、今年もこの教室の準備は5月にはいってから。
PTAさんに声をかけると、「行事がいっぱいで・・・」とのこと「実施した際には是非参加呼びかけのお手伝いをお願いします」と、今年はちょっと無理かなぁと思っていたところ、1年生のお母さんが名乗りをあげてくださいました。親子料理教室は経験していましたが、低学年。しかも、1年生!!とちょっとドキドキながら、ここで実施しないと後が続かない!!と意を決し、実施へ。20組定員のところ41組の申し込みをいただき、役員さんと相談の結果2日間に分けて実施することに。スカラーママのメンバーに電話をし、とにかく、お手伝いに来てもらえる日に実施したい!!と泣きつき2名の応援をいただいた初日!!「え~もう一日あるのぉ!」「私たちはその日だめだから誰か来るように連絡してあげるわよ!」頼もしい一言。(いかに、今日見ていて、不安に思われたかですよね・・・)持つべきは頼れる仲間です。ありがたいことです。

「栄養教諭の仕事は、どれだけ授業をしたかではなく、どれだけ学校や保護者、地域の『食』に対する意識を高められるかが評価のポイントだと考えています。」文部科学省の担当者からいただいた言葉です。
「こういう機会っていいですね。」「こどもと楽しく料理が出来ました」「試食会。今日の実習ときたら、もう一回くらい何かやりたいですよね」そんな言葉を聞くと少しは「食」への関心、意欲のアップに役立てたのかと、反省・改善箇所は多々ありながらも成功!!ということにしたいと思います。来年は、もっと早くに計画しなくては・・・

「牛乳」生産量調整のために昨年たくさんの牛が処分されました。今年、バターの原料となる牛乳が不足し、店頭から商品が姿を消しました。「国の政策に振り回されるのはもううんざり。牛が乳を出すためには2年。酪農家は3年後を見据えて牛を育てている。バターにする牛乳が足りないからといって、すぐに生産量を増やす気にはなれない」多くの酪農家の本音でしょう。
栄養満点の牛乳。子どもたちの成長には欠かせない食材になっています。消費者の立場ばかりではなく生産者の立場にもなってものを考える。これも思いやりですよね。
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宮鍋 和子(みやなべ かずこ)

東京都 栄養教諭
定時制高校、聾学校(高・専)、中学校と勤務し、2007年春より小学校に勤務することになりました。学校給食を通して、子どもたちと一緒に、成長できたらと思います。

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