2008.06.25
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電子黒板の普及

株式会社内田洋行 教育総合研究所 山田 智之

前回、前々回と2回に渡りご紹介してきたNewEducationExpo2008は盛況のうちに終了しました。
私は事務局としてイベントの運営にあたっていましたが、やはり、今年は「新学習指導要領」や「小学校英語」といったテーマに関連するセミナーの注目が高く、多くの方に受講いただきました。
ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。

当イベントは「New」EducationExpoという名前で開催していますので、当然ながら毎年、旬な話題を提供しています。
一方で、第1回目の記事でも少し触れましたが、毎年徐々にバージョンアップしつつも、恒例となっているセミナーもあります。
http://www.manabinoba.com/index.cfm/8,9785,21,133,html

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例えば今年も開催した「電子黒板」の活用に関するセミナーも2005年のEXPOから3年間、毎年開催しています。私が入社して初めて担当した案件が電子黒板の普及に関する調査研究だったこともあり、このような場を通して、電子黒板の存在が学校現場で広く認知されることは嬉しい限りです。

電子黒板って何?と思われた方、詳しくは後述するサイトをご覧下さい。

簡単に言うと、電子黒板は、「電子情報ボード」「e黒板」とも言われ、黒板や大型ディスプレイなどに投影したコンピュータの・・・
 ・画面が操作できる
 ・画面に書き込みができる
 ・画面や書き込んだ内容を保存できる
といった機能を持つICT機器の総称です。(特定の商品名ではありません)

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ここまで読んで、「ちょっと特殊な機器だな」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
少々古いデータですが、文科省の「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(平成18年3月31日現在)」によれば、初等中等教育機関における教育用コンピュータの総台数1,705,600台に対し電子黒板7,832台と、教育用コンピュータ1台あたり0.4%、当時の公立小中学校の学級あたりだと約2%の普及率でした。(現在はもっと普及しています)

ところが、海外に目を向けてみると、教室でのICT活用が進んでいるイギリスでは電子黒板が整備された教室が当たり前になっていて、2007年の段階で全ての初等学校に平均8台、98%の中等学校に平均22.3台が導入されています。また、授業での活用率も60%を超えているということです(野中 2007,Becta 2007)。

電子黒板は操作や書き込みにペンや指を使いますので、先生の授業の流れを分断せず、板書と共存する形で様々なコンテンツを提示・活用することができます。
優れた板書技術を持つ、日本の先生にこそ、授業で使って欲しい機器だと思います。
普及率だけ見ると特殊なものように見えますが、そんなことはありません。是非以下のサイトをご覧下さい。

・電子黒板普及推進に資する調査研究事業サイト -平成19年度 文部科学省委託事業 先導的教育情報化推進プログラム-
http://edusight.uchida.co.jp/e-iwb/

・e-黒板実践事例(コンピュータ教育開発センター)
http://www.cec.or.jp/e2a/ekokuban/jirei.html

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日本の教室に電子黒板が当たり前に導入されるまではまだ時間がかかることと思いますが、EXPOなどを通してより多くの方にご紹介していきたいと思います。

山田 智之(やまだ ともゆき)

株式会社内田洋行 教育総合研究所
教育の情報化が進められていた99年~を学生時代として過ごしました。「先生をサポートする仕事をしたい」と思い、内田洋行に入社。現在は受託事業、共同研究プロジェクトなどを担当しています。

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