2026.03.13
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中学校向け:トランシーバーを使ったロールプレイング形式の防災教材 増える災害 命をつなぐ無線機の重要性増す

南海トラフ地震など大規模災害への緊張感が高まる昨今、無線機メーカー大手のアイコムは、全国の中学校向けに「無線機を使った防災訓練の教育プログラム」を開発しました。本プログラムは中学教員向けの教材で、免許や資格なしに交信できるトランシーバー20台をセットにして各校に無償貸与します。

教材の内容は、大地震などの災害時を想定しており、生徒はロールプレイング形式で、トランシーバーを使ったコミュニケーション方法が学べます。教材の貸し出しは2026年5月から開始します。

トランシーバーを使った防災教材の開発背景

◇「大事なことは二度繰り返す」は人命救助に有効、混乱下での無線機の使い方を学ぶ

いま、大規模災害時に、住民の命をつなぐ無線機の重要性・需要はますます増しています。特に避難所でトランシーバーを使うケースは多く、住民同士の安否確認や運営本部との連絡手段として活躍します。トランシーバーの操作方法や、「大事なことは二度繰り返して伝える」といった有効な使い方を知っておくことは、混乱下で人命を救う手段になります。

一方、スマホ以外の連絡手段を使う機会が減少している現代の子どもたちにとって、無線機は馴染みの薄い道具になっています。そこで、いざというときにトランシーバーを使えるようになってもらおうと、今回の教材プログラムを開発しました。

◇スマホではなくなぜトランシーバーが災害時に有用なのかを動画で解説

教材には、教員用の指導マニュアルや生徒用のワークシートなど授業に必要なツール一式を同梱します。スマートフォンではなくなぜトランシーバーが災害時に有用なのかの解説やそもそもの機器の使い方を説明する動画も用意します。

◇授業1コマで完結、現場のニーズに対応

教材の開発にあたり、中学校の教諭ら教育従事者に事前ヒアリングしたところ、現場のニーズは非常に高いことが分かりました。「1コマの授業で訓練できる内容にしてほしい」といった要望を踏まえて内容を勘案しています。

教材は学校からの依頼に応じて、一式を配送で貸し出します。貸し出し依頼は、アイコムのホームページ上の特設ページから受け付けます。1校あたりの貸出期間は最大2週間です。

スマホとの違いやトランシーバーの使い方などをまとめた動画(画面キャプチャ)と ロープレ訓練をセットで無償貸与

校内に散らばる避難者を無線で誘導! 4チームで挑む “防災ミッション”

◇3部構成で学べる体験型の防災プログラム

「防災教育プログラム」は、無線機の解説動画の視聴(9分)から始まり、ロールプレイング形式の防災訓練(20-30分)と訓練後のレビュー(5分)を行う3部構成です。先生は1コマ(50分間)の授業で終えることができます。

防災訓練中の生徒の連絡手段は、チームごとに数台配布されるトランシーバーです。教員も1台持ち、ルール説明などの進行役を担います。プログラムは40人程度まで同時に参加できるように組んでいます。

◇ミッション完遂の鍵はトランシーバーでの連携

生徒たちに課されるミッションは、「避難者の人数や年齢を把握して安全な場所に誘導し、食料を必要分確保すること」です。

そのミッションを完遂するために生徒たちは4チームに分かれます。各チームには、「話し方の例」や「必要な情報を記載するメモ欄」が書かれたワークシートを配布します。

その後、先生があらかじめ校舎内に置いておいたA4サイズのカードを探しに、生徒は教室を出ます。カードには任務完遂に必要な情報が、チームごとに記載されています。カードを見つけると、生徒同士はトランシーバーを用いて連携をとり、ミッション完遂に必要な情報を共有します。

終了後は、参加者全員でレビューを行います。「もし無線機がなかったどうなっていたか?」、「無線機のどんな特徴が役に立ったか?」など、教員が質問を投げかけます。生徒に振り返りの場を与えることで、学習内容の定着を図ります。

教育プログラム概要
名称 トランシーバーを使った防災教育プログラム
対象 中学校
提供方法 全国の中学校へ無償貸与 参加人数 40人程度の生徒数を想定
所要時間 45~50分程度(授業1コマで完結) 費用 無料(返却送料も無料)
貸出内容 トランシーバー20台、生徒用のワークシート、教職員用の指導マニュアル、ロールプレイング形式の防災訓練用のカード(避難者カード、非常食カードなど)
プログラム構成 ・無線機の解説動画の視聴(約9分)
・ロールプレイング形式の防災訓練(約20~30分)
・訓練後のレビュー(約5分)
貸出開始 2026年5月を予定 貸出期間 教材の到着日から最大14日間
申込締切 教材の到着希望日の3カ月前の月末 (例:貸出希望日が5/1の場合、申込締切は2月末)
備考 ・解説動画はデータで送付します。
・教材の往復送料はアイコムが負担します。
・1カ月に教材を貸与できる学校は2校程度です。
・アイコムから学校へのスタッフの派遣はいたしません。

実際の授業の風景

本教育プログラム使ったデモ授業が、2026年3月9日(月)に私立桃山学院中学校(大阪市阿倍野区)で行われました。

当日、授業を受けた生徒からは「スマホだと応答までに時間がかかってしまう」、「トランシーバーは1回の通信で、皆に一斉に連絡を取れるのが良い」といった声が上がるなど、トランシーバーという<スマホではない連絡手段>に興味を持ってくれた様子でした。

同中学校の田中智晴教頭は、「アイコムさんから防災教育プログラムについての相談をいただき、何度かやり取りを重ね、シミュレーションを重ねられた中で、学校側も簡単に導入できる教材に仕上がっているように思います。大きな災害が続く中で、南海トラフ地震も念頭に置かなければならない時代です。今回の取り組みを通して、スマホだけでは心配な点が多いことを改めて実感しました。中学生向けの教材ではありますが、教員の意識を高める上でも有意義で、生徒が自らの命を守り、周囲の大人も子どもたちを守ることにつながると感じています」と、本プログラムの今後の活用に期待を寄せました。

文・画像提供:「アイコム」広報事務局

※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。

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