2011.01.31
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風景印

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

突然ですが、みなさんは郵便局にある「風景印」をご存じですか?風景印とは、正式名称を「風景入通信日付印」といい、直径36mmの印の中に局名・日付と共に、使用局周辺の名所・旧跡などにちなむ図柄が描かれています。2009年現在、日本にある約2万4千の郵便局のうち、半数近い1万1千局で使用されています。観光地などにある記念スタンプと同じようなものと思われがちですが、風景印は日付の入ったれっきとした「公印」。押印にはいくつかのルールがあります。

1.官製ハガキか、50円以上の切手を貼ったものにのみ押印
風景印は基本的には、郵便に使用する「消印」です。切手やハガキにのみ押印できます。なぜ、切手の場合50円以上かというと、本来「郵便に使用する消印」であるという建前から、最低ハガキ料金以上の切手を用意してくださいね、というわけです。

2.引き受け押印
その郵便局から封書やハガキを差し出す際に「風景印でお願いします」と言えば、風景印で消印し、相手に届けられます。

3.記念押印
ルール1を満たすものを準備し、窓口で「風景印を押してください」と言えば気軽に押してくれます。遠方の場合、郵便で使用局に記念押印を依頼することもできます。その際は必ず、押印する台紙と返信用切手を貼った封筒を準備してください。このことを「郵頼」といいます。

前置きが長くなってしまいましたが、今回、風景印をとりあげたのには理由があります。実は、山陽女子中学校・高等学校の隣にある岡山東山郵便局で、2011年2月1日より、風景印の使用がはじまるのです。

この風景印をデザインしたのは、山陽女子高校1年生の生徒。現在、山陽女子高校では学校所在地である岡山市中区門田屋敷周辺の歴史文化遺産を紹介する「門田かいわい歴史散歩プロジェクト」という企画を始めています。

昨年9月、プロジェクトの一環として、門田屋敷地域をPRするために岡山東山郵便局に風景印を配備してもらおうというお願いをしました。最初にデザイン担当の生徒が、直径36mmの円の中に、門田かいわいを象徴する名所をまとめ、パソコンで原画を作成しました。その後、風景印の配備依頼の目的、デザイン案、デザインの図案となる名所の所有者の承諾書など、多くの書類を作成し、正式に風景印配備を依頼しました。書類が多いので審査も時間がかかるそうです。

依頼をした当初は知らなかったのですが、風景印の配備というのは、「頼まれましたので、はい、作ります!」という簡単なものではないそうです。新規に公印を作るわけですから、その郵便局だけの判断ではだめなのです。風景印を作成するのは郵便事業会社となるので、そちらの判断が必要になります。

依頼から配備決定まで約3カ月、使用開始までは約5カ月かかりましたが、2011年2月1日より岡山東山郵便局で風景印使用開始となります。

2011年1月中旬、日本郵便のホームページに、岡山東山郵便局での風景印使用開始が告示されました。局長さんにお話をうかがうと、ホームページに告示された翌日より全国から多くの郵頼が届いているのだそうです。その数、なんと600以上!小さな郵便局で局員さんも少ないので大変な事務作業になるそうです。局員さん、本当にお疲れ様です。

風景印を通して、門田かいわいの知名度がアップすればと思うのですが、さて、次回は、風景印配備依頼のきっかけとなった「門田かいわい歴史散歩プロジェクト」について書きます。

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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