2017.08.16
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意外と知らない"校務支援システム"(vol.2)

意外と知らない

前回の記事では、校務とはどのような業務か、また国の施策と現在の校務支援システムの整備状況を紹介しました。今回は具体的な校務支援システムの機能、導入例、今後の方向性について紹介します。

校務支援システムの機能

前回の記事では、国がどのように校務の情報化を進めていくのか、校務支援システム普及のロードマップを確認し、学校における校務業務全般の機能を扱っている「統合型校務支援システム」の整備を進めていること紹介しました。校務支援システムを提供しているメーカーごとに使い方や細かな機能に違いはありますが、大きくは下記の機能を提供しています。

統合型校務支援システム機能例

機能名具体的な機能例
児童・生徒情報管理 児童生徒情報(学籍)、進級・進学・卒業、転出・転入
出欠管理 出席簿、長欠管理
成績管理 テスト、通知票、指導要録、進路・調査書
保健管理 健康診断・歯科検査、健康観察簿、保健室来室、保健日誌
日程管理 行事管理、教育計画管理
その他 体力テスト管理

それでは、校務支援システムの機能について内田洋行の「デジタル校務」を例に、代表的な機能を見ていきましょう。

【機能例1 児童生徒情報(学籍)】

児童生徒情報管理ではすべての機能の核となる児童・生徒の情報を管理します。例えば、氏名・生年月日・性別・住所などの基本的な情報から始まり、父母の氏名などの保護者情報まで管理します。校務支援システムから出力されるあらゆる帳票は、学籍機能で管理されているデータを元にしています。特徴的な機能として、児童・生徒の氏名について「正式氏名」と「通称氏名」の2種類の名前を管理しており、出力する帳票に合わせて自動的に名前を使い分けます。多いのは、家庭の事情で普段使用する名簿と、学校での管理する公簿とで氏名を使い分けなければならないケースです。このような文教特有の事情にも対応しています。

【機能例2 出席簿】

出欠管理の機能では、日々記録する児童・生徒の出欠情報を管理します。毎日の出欠情報を入力すると、月末に印刷するだけで出席簿を作成することができます。デジタル校務では1画面でひと月の入力を簡単に行うことができ、40名クラスのひと月分の入力は約10分で済みます。最終的には、通知票や指導要録に記載されている出欠席の集計情報にも反映します。

出席簿は自治体ごとに出欠記号や帳票のレイアウト、書き方など作成のルールが異なるため、基本的にカスタマイズが発生する機能になります。

【機能例3 通知票】

成績管理の機能では、通知票・指導要録などの成績関連のデータを管理します。

例えば通知票については各教科の評価・評定や行動の記録・特別活動の記録などの情報をシステムに入力すると、通知票のWordファイルが出力されます。入力については、児童・生徒一人ひとりを画面に表示して入力する方法、クラス単位で貼り付け操作する方法など複数の画面を用意しており、教職員ごとに自分に合った方法で操作が出来ます。

また通知票は公簿と違い、レイアウトについては学校に決定権があります。システムにWordの雛型をアップロードすることで、学校オリジナルの通知票が作成できます。

【機能例4 健康診断・歯科検査】

保健管理の機能では、健康診断や健康観察などの保健関連のデータを管理します。

例えば、健康診断・歯科検査については、学校で実施する健康診断の結果をシステムに入力すると、個々の健康診断票・歯科検査票が出力されます。また、疾病があった場合には、家庭に配布する「受診勧告書」も出力されます。健康診断は眼科・耳鼻・内科など複数の検査が行われるため入力するデータがとても多いのに対し、養護教諭は学校に1名の場合がほとんどですので、とても大変な業務になります。システムでは、簡単な入力操作で済むようにし、負担を少なくするようにしています。

今回紹介した機能は一部になります。学校における校務業務全般をカバーできるよう、様々な機能が用意されています。

導入例

次に、校務支援システムの導入例について紹介します。以下は、平成25年度から平成27年度までの校務支援システムの整備状況をまとめたものです。

校務支援システムの整備状況

(出典:文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果 平成25年度、平成26年度、平成27年度」)

校務支援システムの整備は教育委員会による一括整備が8割以上を占めています。学校間の児童・生徒の転出入や教職員の異動があるため、自治体で一つのシステムを導入するケースがほとんどです。

下記は、ある自治体の導入における機能の稼働スケジュールです。

ポイントは下記2点です。
(1)モデル校で運用してから全校稼働した
(2)機能を段階的に稼働した

先生方の業務をシステム化するにあたって、業務の運用フローの見直しが行われます。見直した運用で業務がまわるかどうか、モデル校の運用を1年間実施することによって、課題や見直しが必要な箇所を検討することができます。全校稼働前に課題をクリアに出来る点、また1年間学校で稼働した実績を作ることによって、他の学校も安心してシステムを活用することができます。

また、機能の例でも紹介したように、統合型校務支援システムにはたくさんの機能があります。すべての機能を一斉に稼働させた場合、その操作方法を新たに覚えなければならないため教職員にかかる負担も大きくなります。年度ごとに稼働する機能を分け段階的に稼働させることにより過度な負担を抑え、システムに慣れていくことが重要です。

今後の方向性

校務支援システムは扱うデータの性質上、職員室からのみシステムにアクセスできる場合がほとんどです。しかし、実際の校務は職員室以外でも行われています。例えば、毎日の出席状況の確認は、教室で行われているので、一度紙にメモして職員室に戻ってから校務支援システムに入力していると二度手間になってしまいます。この件について、教室で行う校務をサポートする「デジタル出席簿」という製品も開発されています。教室で手軽に出欠や授業の記録を取り、校務支援システムにデータ連携することができるようになります。

今後は、職員室以外で校務支援システムをどのように活用していくかがポイントになっていくことでしょう。

まとめ

今回は具体的な校務支援システムの機能や導入例、今後の方向性について紹介しました。当記事では、一部しか紹介できませんでしたが、校務支援システムには、まだまだ多くの機能があり、今後も様々な機能が追加されることが予想されます。機能が多いということは、校務を情報化した時に運用を切り替える業務が多くなることを意味しています。スムーズな切り替えを実現するためには、教職員の負担を考慮した上で、稼働範囲・順序を工夫し、計画的に校務の情報化をすすめることが大切です。

構成・文:内田洋行 メジャーアカウント&パブリックシステムサポート事業部 奥田 雄哉

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