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今回のつれづれ日誌は、「コンピテンシー」です。
コンピテンシー？ また横文字か！？ と、怒らないでくださいね（笑）
「コンピテンシー」は、「高業績者に見られる行動様式」と定義されます。
学校の先生の中での「高業績者」。
つまり、高い業績をあげている先生・・・って一体どんな先生のことを言うのでしょうか？
授業は完璧！ でも校務の仕事をまったくやらない先生・・・高業績者でしょうか？
漢字や計算の間違いは細かいところまでチェックできる！ でも、子どものことはまるで見ていない先生・・・高業績者でしょうか？
子どもや保護者からは大人気！ でも平気で法律や就業規則を破ってしまう先生・・・高業績者でしょうか？
どんな、高いスキルや立派な信念を持っていても、現場の仕事では通用しません。
人は「何をしたか」という「行動」によって評価されるものだからです。
学校の先生で言えば、子どもから、保護者から、同僚から、管理職から・・・常に「何をしたか」評価されていますね。
そのようなわけで、たまには自分の仕事上の行動を振り返ってみることも必要かなと思います。
先日、特別支援学級の先生方が集まる研修会で、「特別支援学級担任のコンピテンシー」というテーマで、具体的な行動様式を挙げてもらいました。
特別支援学級の担当者だからこそ、というコンピテンシーがいくつも上がってきました。通常の学級の先生とはまた違った視点で学校に携わっていることが窺い知れると思います。その一部をご紹介します。
【通常の学級との連携に関して】
○通常の学級の児童の名前を覚えるよう心がける。（小学校知的 女性）
○休み時間は外に出て遊ぶ。寄ってきた通常の学級の児童も一緒に。（小学校知的 女性）
○通常の学級の宿泊に参加。さりげなく支援学級児童の話をする。（小学校知的 男性）
特別支援学級の担任は、通常の学級と、どのような距離感で関わるかを考えています。「特別支援学級との連携」と口で言うのは簡単です。さりげない心配り・・・これが連携をよりよいものにするためには必要です。
【複数担任を有効に活かすために】
○朝の打ち合わせを大切にする。いつ、だれが、どのように、何をするか。（中学校情緒 女性）
○出張命令簿はコピーして配る。（小学校知的 男性）
○自分が求められる役割を見つけ、他の先生のサポートにさっと入れるように行動する。（小学校知的 男性）
学校の先生にチームワークが大切なのは言うまでもありません。では、何を、どうすれば、チームワーク良く仕事ができるのか。うまくいっている特別支援学級はたいがい大人のチームワークの良い学級です。
【学校を盛り上げていくために】
○学校のムードを明るくするよう努める。（小学校知的 男性）
○親睦会担当など学校の中での役割を担う。（小学校知的 女性）
意外と大事なのは、学校全体を見渡すことができるかどうかということです。まさに、特別支援学級は、学校の中の「スペシャルサポートチーム」でありたいものです。
これらの具体例から見えてくるもの。
それが、「コンピテンシー」であると思います。
増田 謙太郎（ますだ けんたろう）
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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