2004.04.27
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電子情報ボード

プロジェクターで投影したパソコンの画面に自由に書き込みが行える「電子情報ボード」は、従来の黒板に代わるツールとして注目を集めています。昨年末には、その活用法を調査・研究することを目的に、財団法人コンピュータ教育開発研究センター(CEC)により、「e―黒板研究会」が立ち上げられ、3月5日、6日に行われたEスクエア・アドバンスでも「e-黒板展示コーナー」で、各社の電子情報ボードが一堂に展示されました。そこで今回は、今後、教育現場への導入が急速に進むことになると思われる電子情報ボードを紹介します

  • 日本スマートテクノロジーズ株式会社

    日本スマートテクノロジーズ株式会社

  • 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社

    日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社

  • コクヨ株式会社

    コクヨ株式会社

  • 株式会社内田洋行

    株式会社内田洋行

スマートボードSB580、SB560、SB540

表示しているアプリケーションの機能がそのまま使える

見た目は普通のホワイトボードだが、静止画にも動画にも書き込みができ、データ化できるすぐれもの

見た目は普通のホワイトボードだが、静止画にも動画にも書き込みができ、データ化できるすぐれもの

日本スマートテクノロジーズ株式会社

数ある電子情報ボードの中でも、その使い勝手の良さから、導入実績を伸ばしている「スマートボード」。「ボード上にExcelの画面が投影されていても、その機能が使えなかったり、表示されているアドレスのリンク先に飛べないようでは、電子情報ボードを授業で使う意味がありません」。そう語るのは代表取締役の針生文樹氏。「スマートボード」では、ExcelやPowerPointの画面を、コピーやキャプチャすることなく、直接手書きで書き込んでいくことができ、ソフトが持っている従来の機能も、そのまま問題無く使用できる。

 スマートボードを操作する時には、専用ペンや専用白板消しは一切使用しない。ボードに書き込むために、ペントレイからペンを取り上げると、光学センサーが感知して、そのまますぐに書き込みが行えるようになっている。イレーサーも同様に、ペントレイから取り出すと、すぐに文字を消すことができる。また、指でクリックなどの画面操作が行えるので、誰でも簡単に使えるというのが、パソコンの操作が不慣れな人にとっても、扱いやすいものとなっている。

 また、静止画だけでなく動画にも書き込みができるので、活用の幅がさらに広がるものとなる。ペンを取り上げると動画が一時停止し、ビデオに書き込みでき、動画に書き込むと次第に書き込んだものが消えていくように設定できる。この機能を活用して、生徒が跳び箱をとんでいる画面を撮影して、その再生したものに正しく手を付く位置などを書き込んで、指導するようなことも可能となる。
 そして、「スマートボード」を、より利用しやすいものとしているのが、スマートノートブックの機能。ホワイトボード画面に書き込んだものがスライド化されて保存されるといったもので、その保存された画像はオブジェクトとして認識されるので、指の動作一つで大きさや角度を自由に変えられ、好きな場所に簡単に動かすことができる。

 「スマートボード」には、タッチパネル方式を採用している「SB580」「SB560」「SB540」の他にも、カメラでペンの動きを感知するリア型やプラズマディスプレイのタイプ、さらにはペンタブレッド型など、様々なタイプのものが用意されている。

  • 手書きで自由に書き込める。

    手書きで自由に書き込める。

  • ペントレイ

    ペントレイ

デジタルボードF-75、F-60

使用頻度の高い機能を一つにまとめて

 よくつかう機能は、左側のパネルでボタン操作ができるので、簡単。

よくつかう機能は、左側のパネルでボタン操作ができるので、簡単。

日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社

パソコンで作った先生の教材や生徒のレポートを大きな画面に映し出すことで、より授業を分かりやすいものとするのが、デジタルボードの活用のねらい。高画質のプラズマタイプや、大画面のリア・プロジェクションタイプなど、シリーズのラインナップは充実したものとなっているが、その中でも設置の簡単さと価格の安さから、フロントプロジェクションタイプとなる「デジタルボードF-75」と、それより一回り小さいコンパクトな「デジタルボードF-60」は、教育現場での導入が進んでいる。

 「デジタルボード」の操作は、全て付属の電子ペンを使って行われるが、この専用ペンにはサイドボタンが付いていて、クリックやダブルクリックなど、ボード上の操作を手元から行うことができる。生徒の視線は、このペン先に集中するので、提示している資料に意識を引き付けるのに、一役買っている。プロジェクターで投影している画面には、手書きで文字や図形を入力していくことができ、注目させたいところにアンダーラインを引いたり、補足の説明を書きこむなど思うがまま。そして、書きこんだ画面は保存して、いつでも好きな時に利用することができる。

 また、「印刷」「新規ページ追加」「次のページ表示」「前のページ表示」といった、よく使われるような機能は、すぐに呼び出せるようにボードの左側にまとめられていて、デジタル機器の操作に馴れていない人でも、すぐに扱えるのが特徴となっている。

 光が反射して画面が見えにくいといったことがないように、ボードの表面には反射防止素材が使用されている。そのため教室の隅など、斜め方向から画面を見た場合でも、表示されている内容を問題無く確認することができ、目の負担の軽減にもつながっている。

 なお、デジタルボードとパソコンをケーブルでつなぐ有線接続以外に、無線接続タイプのタイプも用意され、パソコンに受信ユニットを付けるだけで使用することができる。無線タイプのものは、接続の手間が省けるだけでなく、ケーブルに足を引っかけたり、デジタルボードを移動させる時に配線を気にしないですむというメリットもある。

mimio Xi

どこにでも持ち運んで講義や授業の内容を記録

取り付けるだけで、従来使っていたホワイトボードが電子情報ボードに!

取り付けるだけで、従来使っていたホワイトボードが電子情報ボードに!

コクヨ株式会社

普通のホワイトボードに「mimio Xi」を取り付けるだけで、電子情報ボードとして使えるようになり、書いた内容をデジタルに記録させることができる。通常、ホワイトボードに書いたものは消してしまえば、それでお終いだが、「mimio Xi」を付けておけば、リアルタイムで講義や授業の内容がパソコンに記録されていく。その記録した内容をパソコン上で再現できるので、繰り返して再生し、理解できるまで内容の確認が行える。

 デジタル化してパソコンに記録されたデータは、2次加工できるのが特徴。このデータを他の人と共有するなどして、どんどん活用の幅が広がっていく。また、セルフビューイングlnk形式で保存しておけば、mimioソフトをインストールしていない相手とも、データを共有することができる。

 ホワイトボードが電子情報ボードと同様に使えるということで、プロジェクタで投影したパソコン画面を、ボード上から操作することが可能。通常のマウス操作は全て行える上、投影したパソコンの画面に、直接、重要なポイントなどを、マーカーを使って自由に書き込んでいくことができる。

 「こうしてホワイトボードがタッチパネルとして使うことができることにより、パソコンの操作で授業が中断されることもありません。そのため、生徒の顔を見ながら授業が進められるので、集中力を高めることにつながります」とマーケティング部の安吉弘氏は説明する。実際に導入している学校の先生からも、インターネットが授業に役立つ資料を持ってくることが多いので、プロジェクターや「mimio Xi」のようなツールは、役に立つという声が聞かれるという。

 どこにでも持ち運べる軽さが「mimio Xi」の魅力。コンパクトに折りたたんで外出先のホワイトボードに取りつけて使うといったことも可能。「mimio Xi」自体にメモリー機能が内蔵されているので、パソコンが無い場所でも、問題無く使用して書いた内容を記録させておくことができる。「mimio Xi」は価格が安いこともあり、比較的手軽に購入しやすく、教室のIT化の推進に一役買っている。

  • mimioXi

    mimioXi

  • 製品一式

    製品一式

インタラクティブユニット eB-3

取り付けるだけで普通の黒板が電子情報ボードになる

従来の黒板の感覚で使える!

従来の黒板の感覚で使える!

株式会社内田洋行

教室のIT化を目指した時に、問題となってくるのが、デジタル機器の整備が遅れていること。どうしても従来のアナログな形の授業から移行しきれないところがある。そこで出来る限り、これまでの授業に近い形でも、デジタル化を進めていければということで生み出されたのが、「インタラクティブユニット eB-3」。これまでチョークで書いていた普通の黒板の上に取り付けるだけで、プロジェクターで投影されたパソコンの画面を、黒板上で操作できるようになる。これにより、パソコンを使った授業でも、いつもの授業と変わらずに進められるようになり、先生や生徒が満足できる効率的な授業展開となる。授業の履歴が、データとして保存されるので、様々な活用が考えられる。

 パソコンなどのデジタル機器を授業で使う際に問題となってくる、接続の煩雑さも「インタラクティブユニット eB-3」には関係無く、マグネットで黒板に貼り付けて、USBで接続するだけという簡単さ。準備に手間がかからないので、授業の前に時間が取られるようなこともない。

 コンパクトなサイズなので、教室を移動させて使用することが可能。ワイドサイズのホワイトボードに取り付けて使う時は、2つの「インタラクティブユニット eB-3」を付ければ、最大360cmの範囲までカバーすることができる。

 「今後、『インタラクティブユニット eB-3』を使っていくことで、先生は黒板でPCの教材ソフトやインターネット等の情報を利用して授業を進め、生徒もPowerPoint等で作った資料を投影し、マーキングを加えながら発表を行うことが普通になる」と、開発調達事業部の池口育宏氏は展望する。

 最大10台までの同時接続が可能で、同じ画面にお互いが書きこむことができるので、遠隔地の学校との交流への利用も考えられる。また、不登校児への対応として、このシステムを利用して、保存しておいた授業の履歴を見られる状態を作り上げれば、授業への遅れを埋めることにつなげられる。

  • インタラクティブユニット

    インタラクティブユニット

  • 製品一式

    製品一式


電子情報ボードを導入して授業を進めている学校は、一部にしか過ぎず、教育現場での普及は、まだまだこれから。しかし、パソコンやプロジェクターの整備が進むにつれ、確実に電子情報ボードの機能が活かされる場面は増えてくると思われます。従来とは違う形の授業の戸惑われる先生もいるかもしれませんが、実際に使ってみると、簡単に使えるものであることが分かるはずです。いずれ学校が導入する時に向けて、展示会などの機会を利用して電子情報ボードに触れておくのもいいかも知れませんね。

電子情報ボード一覧

 
ボードタイプ
簡易取付けタイプ
製品名スマートボードSB580
スマートボードSB560
スマートボードSB540
デジタルボード
F‐75
デジタルボード
F-60
mimio Xiインタラクティブ
ニットeB-3
会社名 日本スマート
テクノロジーズ株式会社
日立ソフトウェア
エンジニアリング
株式会社
コクヨ株式会社 株式会社
内田洋行
入力操作方式 感圧式 赤外線+超音波方式 赤外線+超音波方式 赤外線+超音波方式
寸法 SB580
(幅152.4cm×高さ122.6cm×奥行き14.6cm)
SB560型
(幅128.3cm×高さ104.1cm×奥行き14.6cm)
SB540型
(幅128.3cm×高さ83.3cm×奥行き14.6cm)
F‐75(幅157.0cm×高さ118.0cm)
F-60(幅126.5cm×高さ96.0cm)
使用時:
長さ46.0cm×幅57.0cm×高さ26.0cm
収納時:24.0cm×幅57.0cm×高さ57.0cm
本体サイズ:幅16.0cm×奥行16.0cm×高さ3.0cm有効範囲幅180.0cm×高さ120.0cm
重量 SB580(18.7kg)
SB560(13.5kg)
SB540(9.5kg)
F-75(約17.5kg)
F-60(約12.5kg)
※本体のみ
約480g 約150g
対応OS Windows95/
98/2000/Me/XP、WindowsNT4.0、
Macintosh
OS8.5~OSX
Windows98
/Me/2000/XP、WindowsNT4.0
Windows98/
Me/2000/XP
Windowa98SE
/Me/XP
CPU Pentium
66MHz以上

PentiumⅡ
233MHz以上

Pentium 166MHz以上 Pentium
100MHz以上
設定メモリ容量 Windowsは16MB以上
(24MB以上推奨)、Macintoshは32MB以上
64MB以上
(Windows95
の場合
32MB以上)
32MB以上
(64MB以上推奨)
16MB以上
ハード
ディスク
Windowsは50MB、Macintoshは10MB以上の空き容量 100MB以上の空き容量 20MB以上の空き容量 9MB以上の空き容量
インター
フェイス
USBポートまたはシリアルポート USBポート(無線モデル)、RS-232C(無線モデル・有線モデル) USBポート USBポート
価格
(税別)
SB580:329,000円
SB560:268,000円
SB540:198,000円
F-75(無線モデル):275,000円
F-75(有線モデル):238,000円、
F-60(無線モデル):235,000円
F-60(有線モデル):198,000円
168,000円 本体99,000円(eB-3スクリーンセット:125,000円、eB-3専用スクリーン:30,000円)

※当記事の情報は、公開当時のものです。

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