2026.01.10
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  • 作者:
    秋田市立保戸野小学校 平野真
  • 校種:
    汎用・共通

概要

進路指導を発展させたキャリア教育は、小中高の学校で大切にされています。また、進路を学ぶタイミングも大切と思われます。優れた先行研究にふれ、日常の実践にいかしていただければ幸いです。

1 はじめに

文部科学省の、小学校キャリア教育の手引き(2022)によれば、キャリア教育のもとになっている進路指導は、「教育そのもの」であり、「人生の生き方を指導することが大切である」とあるように、情緒性の高い言葉によって特徴が述べられている。キャリア教育については「4領域8能力」のように、具体的な能力や行動を発達の段階に合わせて提示しており、これまでの進路指導の概念を大きく進展させたものになっている。

2 進路についての調査から

ベネッセ教育総合研究所では、「子どもの生活と学びに関する親子調査」を東京大学社会科学研究所と共同で実施している。2015年から2024年までの追跡調査結果によれば、子どもたちの「なりたい職業」の実態は次の通りであった。

小学校4から6年、中学生ではプロスポーツ選手と教員、高校では教員が一番であった。小学生では男子はユーチューバー、女子は花屋、看護師、保育士が続いた。中、高校になると男子はゲームクリエイターやプログラマー、女子は管理栄養士や薬剤師などが上位であった。この10年で大きく変わらないが、ユーチューバーがランク外から4位へ、高校生のプログラマーが13位から6位へ上昇していた。

  1. 進路を考える意義―進路を深く考える経験は学習意欲を高め、学習行動を促進する
    進路について深く考える経験は中3と高3で多く進路の決定時期と重なっていた。また、この経験をしている子どもはそうでない子どもに比べて学習時間が長かったり勉強が好きと答えたりする比率が高く、新しいことを知るのがうれしいといった学習の動機付けがみられた。
  2. 進路を考えることに影響する要因―学校(教員)と家庭(保護者)が関連している
    この1年の間に「進路(将来)について深く考える」経験ありという回答は、先生との関係が良好な子ども、グループで考えたり討論したりする探究的な学びをしている子ども、家族と成績や社会のニュースについて会話を多くしている子どもに多く見られた。
  3. なりたい職業の個人変化の追跡―35.0%の子どもが小学生から高校生まで一貫した希望を持つ
    なりたい職業の変化では、3人に1人が小5から高2まで同じ希望を持ち続けていた。医療系、教育系の職業が変わりにくい傾向があった。将来の目標がはっきりしている一方で、自分の進路について深く考えたり、疑問に思ったりしたことを自分で深く調べるなどの機会が少ないといった課題もみられた。希望が一貫しているため、他の可能性をいろいろ考えることが少ないのかもしれない。

3 学校で行われている進路学習について

  1. 小学校、中学校、高校と外部からゲストを招いて職業体験学習
  2. 進路を考えるきっかけとしての進路学習
    中3や高3になると、目前に迫った進路を考える機会が増えるが、その準備段階での中2や高2で進路学習を意図的に計画することで、より進路を深く考えることができると思われる。求められる学力という大きな壁が立ちはだかるが、関連の情報を得ることで、今の自分のベスト、あと少しの伸びで達成できそうな目標を見つけることも現実的で大切なのではないだろうか。(医師になりたい→医師を支援したい→看護師、検査技師、トレーナー など)

4 まとめ

文部科学省「小学校キャリア教育の手引き」では、進路指導のこれまでの取組を発展させ、小学校から高校までの児童・生徒の発達を踏まえて「4領域8能力」を元に、キャリア教育を進めていくことが示されている。

進路指導、キャリア教育で培った力は、将来の進路を考えるためのアプローチになる。そして、進路を考えるためには、教員や家族などの積極的な働きかけによって、適宜必要な情報をアップデートしていくことが必要と思われる。また、中学3年や高校3年といった進路選択に迫られてからではなく、小学校からの積み重ねが大切である。

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