2020.04.17
緊急事態宣言期間における体育課題
新型コロナウイルス感染症対策により外出自粛となるこの時期に、取り組んだら良い体育課題について提案します。
旭川大学短期大学部 准教授 赤堀 達也
新型コロナウイルス感染症対策により、史上初の緊急事態宣言が発表されました。それにより1カ月は外出自粛となっています。そのことで子どもたちへの影響も、心身ともに大きなものとなってくるでしょう。そうなってしまうことを見越して、今回は体育的な視点からこの時期に家でできることを提案したいと思います。
ストレッチと体つくり運動
主要科目は課題として出しやすいと思いますが、体育に関してはなかなか良い課題案が見つからないのではないでしょうか?今回の緊急事態宣言により外出自粛がより強調されているため、子どもたちは主要科目の課題が終わったら、ゲームやタブレット等で遊ぶことになるでしょう。そのためエコノミー症候群の心配も出てくると思われます。その防止を目的としての効果があり、更に緊急事態宣言が解除された時にも、この時期に行った効果が持続できるような取り組みが良いと考えます。そこで私はストレッチと体つくり運動を提案させていただきます。
ストレッチに期待できる3つの効果
ストレッチは、3つの効果が期待できます。
一つ目として、筋肉を伸ばすことで筋肉を動かすことができ、エコノミー症候群を予防することができます。
二つ目として、復帰した際に可動域が広がり、固まっていた筋肉をほぐすことができているので、体が軽く感じ、動かしやすくなるという利点があります。宣言が解除されて動き始めた時に、ケガを少なくすることにつながります。
三つ目として、私は一度教員を離れプロとしてスポーツトレーナーをしていた経験もあるのですが、その時の経験からストレッチを繰り返し行っていくと、自分の体を分析できる力が身につくようになってきます。例えば「脚が痛い」ことを伝えたい場合、ストレッチをあまりやり慣れていない子どもは、単に「脚が痛い」と言うだけです。しかしストレッチをよく行っている子どもは、「脚の太ももの前が痛くて、屈伸して曲げる時は大丈夫だけど、そこから伸ばす時がより痛くなる」と言ったような、自分の体を説明できるようになってきます。
これはその後の運動技能の獲得に大きく貢献できるため、私はストレッチを推奨します。
一つ目として、筋肉を伸ばすことで筋肉を動かすことができ、エコノミー症候群を予防することができます。
二つ目として、復帰した際に可動域が広がり、固まっていた筋肉をほぐすことができているので、体が軽く感じ、動かしやすくなるという利点があります。宣言が解除されて動き始めた時に、ケガを少なくすることにつながります。
三つ目として、私は一度教員を離れプロとしてスポーツトレーナーをしていた経験もあるのですが、その時の経験からストレッチを繰り返し行っていくと、自分の体を分析できる力が身につくようになってきます。例えば「脚が痛い」ことを伝えたい場合、ストレッチをあまりやり慣れていない子どもは、単に「脚が痛い」と言うだけです。しかしストレッチをよく行っている子どもは、「脚の太ももの前が痛くて、屈伸して曲げる時は大丈夫だけど、そこから伸ばす時がより痛くなる」と言ったような、自分の体を説明できるようになってきます。
これはその後の運動技能の獲得に大きく貢献できるため、私はストレッチを推奨します。
体つくり運動
体つくり運動については、家でもケガなく行えるものとしてブリッジや逆立ち系のものがいいと考えています。その理由は、現在の子どもたちは転んだ際に上手く手が出せなかったり、手を出してもしっかり支えられなかったりして、ケガをしてしまうケースが多いからです。特に外出自粛明けはそのようなケースが多くなるでしょう。そのため崩れた姿勢でもしっかりと腕で支えることができる準備をするために、ブリッジや逆立ち系を推奨します。逆立ち系は、カエル逆立ち・三点倒立・倒立などがいいでしょう。
次にやり方としては、方法を教員が提示するのではなく、子どもたちに考えさせ、宣言が解除された際にビフォア・アフターを発表させる方法はいかがでしょうか?そうすることにより、自分の体を理解することにつながり、考えて動く、考えて動かす力が身に付くようになります。そしてこれらの視点が一度身につくと、体を動かすことが楽しくなります。
学校のことがなかなか思うように進められず教員としては焦ってしまう時期ではありますが、逆に子どもが自分自身を見つめ直し、しっかり向き合うことができる時間にすることができます。一例を述べさせていただきましたが、まだまだ他にも体育課題はあると思います。体育的な観点からそのようなアプローチをしてみるのも面白いと思います。
次にやり方としては、方法を教員が提示するのではなく、子どもたちに考えさせ、宣言が解除された際にビフォア・アフターを発表させる方法はいかがでしょうか?そうすることにより、自分の体を理解することにつながり、考えて動く、考えて動かす力が身に付くようになります。そしてこれらの視点が一度身につくと、体を動かすことが楽しくなります。
学校のことがなかなか思うように進められず教員としては焦ってしまう時期ではありますが、逆に子どもが自分自身を見つめ直し、しっかり向き合うことができる時間にすることができます。一例を述べさせていただきましたが、まだまだ他にも体育課題はあると思います。体育的な観点からそのようなアプローチをしてみるのも面白いと思います。
赤堀 達也(あかほり たつや)
旭川大学短期大学部 准教授・元パーソナルストレッチトレーナー・バスケットボールコーチ
幼児体育指導、小学校のスポーツ少年団指導、中学校の部活動指導、高校の体育指導、大学の体育指導及び部活動指導と、全年代の子どものスポーツ及び体育指導の経験を生かし、子どもの運動能力の向上を図る研究を行う。
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