2015.10.01
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

学級が荒れる前に,「専手必笑」

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

  いよいよ第18期スタートです。今期もよろしくお願い致します。

先日,若手を交えたある会で,学級づくりの話題になりました。

学級,学年,学校のあれについてです。

 6月,11月,2月危機なんて言葉も聞きます。その原因は,

4月,9月,1月にあるようです。この話題のいくつかを

振り返ってみます。

 

 

まずは,4月にルールを確認

 学級開きと言われる4月の早い段階で,ルールを伝えていきます。

これは,

☆学校全体としての約束

・遊具の使い方

・持ち物などの約束

・チャイムの合図

・給食や掃除の仕方

などです。

☆学年,学級内でのルール

・校舎の位置によっては,学年のルールが必要になる場合があります。

・学級文庫の使い方のルール

・給食での減らし方やおかわりの仕方

・授業での発言のルール

☆その都度の指導など

・学校生活におけるマナー

 

これらを確認をするのでしょう。

 荒れが見え始めると,ここが慣れではなく,

惰性となってしまい,守れたり,守れなかったりしてきます。

 

 

荒れが見え始めたら……

 若手を交えたある会での話は続きます……。

 さて,4月に約束しました。そして,1学期が終わりました。

そして今,2学期……。

 残念ながら,荒れが見えてきました。

 最終的には,3つの話になりました。

 

 1つ目は,クラスの数名が,勝手な行動を取るクラスです。

指導を入れても,完全に無視だそうです。

 

 2つ目は,その勝手な行動を取っている子どもの親たちが,

指導が悪いとクレームをつけてくるそうです。

 

 3つ目は,隣のクラスの荒れている子どもたちが,

教室に入ってきて勝手に暴れるというのです。

 

 さてこれらに対して,どうするのかを考えました。

 勝手な行動を取る子どもたちに,

「そんなんしたらあかんで。」

と,口だけの指導をするのか。

また,隣のクラスの子どもたちのことなので,そのままにしておくのか。

 保護者にも事実を伝えず,ひたすらクレームを聞くだけに終わるのか。

 

 これら全て,原則は,NOでしょう。

 

 

荒れに対する手立てを取る

 できれば,子どもたちと相談して決めたいですが,

勝手な行動を取る子どもたちに,教師が決めた約束事を提示し,

守らせようとしたらと伝えました。

 しかし,聞く耳を持たない状態なので,なんとかしてでも,

聞いてもらうようにするしかないです。

できれば,他の子どもたちや他の教師の力も借りながら,提示したいものです。

 

 保護者に現状を説明し,事実を伝え,こうなって欲しいという願いを伝えます。

また,今の荒れている状態を心配しているということも伝えたいです。

 

 荒れている現状をそのままにして,黙ったままや

そのままスルーすることは,やはりまずいでしょう。

 何かしらの手立てを打たないと,

大きなことになってしまっては,手の施しようが

なくなります。

 

 隣のクラスの子どもであっても,やはり教室に勝手に入ってくるなどは,

お互いに交流を条件とした学習活動以外は,まずいでしょう。

 入る約束やどうして入っては,いけないかを話し合わないといけません。

でも話し合いが難しいと,その先生が語ります。

 その場にいる先生仲間で,ううむと考え込んでしまいましたが,悲しいかな,

鍵をかけるかなという先生もいました。

 

 

荒れる前に,荒れの対策を取る

 いじめが起こる前に,いじめの指導を入れること。

これは,いじめ指導の鉄則です。いじめが起こってからでは遅いのです。

 だから,荒れる前に,荒れの対策を取ることが大事です。

 クラスの調子がいいときほど,実は,荒れの原因が隠れているときがあります。

また,学校の行事の準備があり,教師にゆとりがなくなったり,

学校全体が気ぜわしい雰囲気になったりすると荒れが始まります。

 

 

教師の専門性で,「専手必笑」

 まずは,教師は笑顔でありたいです。

 そして,専門性を活かして,

あるときは,話して伝え,

あるときは,やって見せて伝え,

あるときは,やらせてみせて伝え,

ていかなくてはいけないでしょう。

 決して,怒鳴る伝え方で,驚かせる方法は,ダメです。

専門性を活かして,約束事を提示しながら,

どうすればいいのかを身につけるようにします。

 そのポイントは,笑顔。

その手立てが,「専手必笑」となりますように……。

 

 

 

共に学び,お会いしましょう!

2015年10月17日(土)  ……神戸開催 講師 野口芳宏先生・横山験也先生


2015年12月26日(土)  ……神戸開催 講師 菊池省三先生

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

同じテーマの執筆者
  • 鈴木 邦明

    帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師

  • 若松 俊介

    京都教育大学附属桃山小学校 教諭

  • 菊池 健一

    さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当

  • 宗実 直樹

    兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭

  • 高岡 昌司

    岡山県教育委員会津山教育事務所教職員課 主任

  • 今林 義勝

    福岡市立照葉小中学校 小学校教諭

  • 川村幸久

    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
    (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)

  • 杉尾 誠

    大阪府公立小学校 主幹教諭・大阪府小学校国語科教育研究会 研究部長

  • 笠原 三義

    戸田市立戸田第二小学校 教諭・日本授業UD学会埼玉支部代表

  • 篠田 裕文

    佛教大学大学院博士後期課程1年

  • 熊井 直子

    小平市立小平第五中学校 主幹教諭

  • 羽渕 弘毅

    兵庫県公立小学校 教諭

  • 川上 健治

    明石市立錦が丘小学校 教諭

  • 山本 裕貴

    市原市立八幡小学校教諭 木更津技法研所属

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop