2014.01.30
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『新聞記者をゲストティーチャーに』

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

  現在、小学校1年生の国語で「新聞活用」に取り組んでいます。単元は『ちがいをくらべてよもう』「どうぶつの赤ちゃん」(光村図書)というもので、動物の赤ちゃんに関する説明文を読み、そこに出てくる動物の赤ちゃんの生まれた時の様子や大きくなっていく様子を比較しながら読むことをねらいとしています。この学習で、「科学的な読み物を読むこと」を言語活動として設定し、具体的な活動を調べたことを新聞にまとめる活動を取り上げました。

 

 児童は、これまでも国語や生活科を通して簡単な新聞作りを行ってきています。新聞といっても、絵と文と見出しだけの簡単なものです。記事が1つだけの新聞から3つぐらいある新聞にも取り組んできました。この力を生かして、今回の国語の学習に取り組みたいと考えました。

 

 教科書から、ライオンとしまうまの成長の違いを読み取った児童はこれから自分で選んだ動物の赤ちゃんについて調べて、新聞にまとめていきます。その前に、プロの新聞記者をゲストティーチャーとして招聘し、動物に関する記事について説明をしていただきました。事前にゲストの記者からいただいた新聞記事のスクラップを行い、記事を見ておく活動をした児童は、記者の話を夢中で聴いていました。

 

 ・母親に育ててもらえなかったゾウの記事

 ・日本で最高齢のゾウの記事

 ・パンダの偽妊娠の記事

 ・人の食べ物を奪うという問題があるトビの記事

 

など、児童にとって大変興味を持てる記事ばかりでした。記事について説明をしていただいた後に、たくさんの質問をしていました。

 

 記事について解説していただいた後に、児童が前に作った新聞についてのコメントもしていただきました。特に1年生では見出し作りに力を入れています。

 

「見出しは本文の中で最も伝えたい言葉を使うようにしよう」

「できるだけ短くまとめるようにしよう」

「目立つように太く書こう」

 

など、実践的なアドバイスをしていただきました。

 児童はこれから、意欲的に自分が関心をもった動物について調べていくと思います。そして、新聞を書く技能もきっと向上することと思います。今からでき上がりが楽しみです。 

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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