担任する学級では、4月より「辞書引き学習」を実践しています。今年度は国語辞典・漢字辞典、そしてその発展として社会科の参考書を辞書引き手法で活用してきました。中部大学の深谷圭助先生のご指導のもと、児童とともに実践を深めてきました。
もうすぐ年度末を迎えることもあり、辞書引き学習にご協力いただいた小学館のスタッフの方を招き、公開授業を行いました。公開授業では主に漢字辞典を活用する学習を行いました。
まずは、いつものように児童が自由に辞典から興味のある漢字やおもしろいと思った漢字を探しました。
「先生、「鬱」ってすごい画数だね。」
「『罵』にはどうしてうまがついているのかなあ・・・」
「麟ってきりんのりんだよ!」
など、児童は元気いっぱいに感想を述べ合っていました。小学館のスタッフの方には、「ずいぶん元気ですね。前に参観した学校では静かに引いていましたよ。」と言われてしまいましたが、私自身は子どもたちが元気いっぱいにわくわくしながら行う学習としてよいのではと考えています。その証拠に、普段は自信が持てなくほとんど手を挙げて発表しない女子児童が、積極的に手を挙げて、自分が見つけた面白い漢字を発表していました。
活動の後半は、魚がつく漢字や鳥がつく漢字の仲間をさがす活動を行いました。「鯨」「鷲」「鯉」など、10秒以内に見つけてしまう児童が多く、1年間の成果を感じました。
最後に、今年1年間辞書引きを行った感想を発表しました。
「漢字をみていて、お姉さんよりも読めたのでほめられた。」
「テレビのクイズ番組で、答えられる問題が多くなってきた。」
「学校で習わない漢字を勉強できて楽しかった。」
など、これまでの活動を振り返って、感想を述べることができました。子どもたちには、学年があがってもぜひ辞書引き学習を続けてさらに力をつけてほしいと思っています。
菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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