2012.06.21
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『4歳でも自分で辞書引き!』

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一


 現在、担任している4学年のクラスで辞書引きを行っています。児童は、付箋が増えてくるのを楽しみながら、積極的に辞書を引いています。はじめてから1ヶ月で、付箋の数が2000枚を超えた児童もいます。本当に児童のやる気を出す学習法であると感じています。児童のやる気を高めたり、語彙力を高めたりする効果はこれまでも感じてきましたが、最近は、学力が低く授業についてこられない児童(もちろん授業の中で全力でその児童にもわかりやすい授業を心掛けてはいるのですが)にとって、自尊心を高める効果もあるのではと考えています。授業についてこられない児童は、普段の授業でわからないことが多かったりすると自分に自信がも持てなくなってしまうのではないかと考えます。しかし、辞書引き学習は全員の児童が取り組める学習なので、必ず褒めてあげることができます。辞書引き学習の可能性はどんどん広がっていると感じています。

 クラスの児童との辞書引きと並行して、4歳になる息子とも辞書引きを行っています。これまでは、息子が辞書の中から言葉を選び、それを読んだら、私が付箋に言葉を書いて貼ってあげていました。しかし、このところ、自分で付箋に言葉を書いてみたいと言い出し、自分だけでの辞書引きをスタートさせました。

自分一人で辞書引きを行い始めた記念に、あたらしい辞書を買ってあげました。息子は大喜びで、会う人に「辞書を買ってもらうんだ!」と自慢していました。自分が子どもの頃は辞書を引くことはそれほど楽しいことではなかったような気がします。それが、付箋を貼るということを加えるだけで、子どもが本当にやる気を出して取り組むようになります。

現在、あたらしい辞書には70枚の付箋が付いています。自分だけの力で2000枚を達成できるように、応援していきたいと思います。

(写真は新しい辞書を使って辞書引きをする息子の様子です。) 

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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