今年度からさいたま市では市内の全小中学校でNIE(新聞活用)を進めていく方針を示しました。新聞の活用については、今回の新指導要領で各教科や領域の指導内容として盛り込まれました。例えば、国語科では中学年で「新聞をつくる」言語活動、そして高学年では「新聞を読む」言語活動がそれぞれ例示されています。現在、2年生を担任していますが、低学年でも新聞を活用した実践を進めることが、NIEの推進になると考え授業づくりに取り組んでいます。
今回行った授業は国語科の「新聞写真を使ってお話を作ろう!」です。まず、児童が家庭の新聞から、お家の人と一緒に気に入った写真をスクラップしてきます。そして、その写真からイメージを広げてお話づくりを行います。
スカイツリーを見上げる家族の写真をスクラップした児童は、
「お父さんは、子どもたちがこのスカイツリーのように大きな子に育ってほしいと思っていました。・・・」と、お父さんの気持ちを想像しながらお話を作っていました。
また、動物の写真を複数スクラップした児童は、
「パンダが森にやってきて、ウサギとお話を始めました・・・」と、本物の物語のようにお話を作っていました。
これらの活動を通して、児童は書く楽しさを十分に味わい、表現する力が付いてくると思います。また、お家の人と写真選びを行うことで、家族の会話も増え、子どもたちのコミュニケーション力も高まると考えています。今後も新聞を活用した授業実践を積極的に行い、児童の意欲や学力を伸ばしていきたいと考えています。
菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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