昨今、部活動が話題になっています。ブラック部活動などの言葉が出てきていますが、部活動はそんなに悪なのでしょうか?
学校における働き方改革を進めるため、長時間労働の大きな一因となっている部活動にメスが入ってきています。それについてはしっかりと考えていくべきことだと思います。しかし、ブラック部活動と言って部活動を悪者にして部活動を削減しようとしていこうとするのは違うと思っています。
海外では部活動を行っているところは少なく、地域のスポーツクラブに通うような形態が多いようです。しかし日本ではもともと教育やスポーツに美学を見出し、お金稼ぎの道具にしない風潮もあり、学校教育の中の部活動として盛んに行われてきました。世界にならえではなくジャパンオリジナルの部活動という形態があっていいと思っています。なぜなら、それが日本の中で培われてきたスポーツ文化だからです。しかし昔のままでいいとも思っていません。その一つの方向性として、部活動と連携した社会体育という考え方はいいと思います。10年ほど前に一度そのような方向性が示されたこともありました。その時はまた元の鞘に収まり、社会体育ではなく部活動になりましたが、今度は部活動が縮小し、社会体育が拡大していくようになっていくと推測しています(私立学校は違うかもしれませんが)。
そうなると私としては、部活動をがんばりたい先生方の行き場を心配してしまいます。部活動をがんばりたい先生は、バイタリティのある先生です。中学高校のやんちゃな子はこの先生たちのおかげで秩序を保てていると言っても過言ではありません。部活動を通して日々しっかりと関わっていくことが、そのやんちゃな子たちにとってとても大きな影響を与えています。そんな先生方がいなくなってしまったらと思うと、クラスや学校の秩序が心配であります。
部活動に関しては、ひとつ変えたとしても、その歪が大きく出てくる部分であります。慎重な改革が必要だと思っています。
赤堀 達也(あかほり たつや)
旭川大学短期大学部 准教授・元パーソナルストレッチトレーナー・バスケットボールコーチ
幼児体育指導、小学校のスポーツ少年団指導、中学校の部活動指導、高校の体育指導、大学の体育指導及び部活動指導と、全年代の子どものスポーツ及び体育指導の経験を生かし、子どもの運動能力の向上を図る研究を行う。
同じテーマの執筆者
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)