いつも私のエッセイを読んでいただきありがとうございます。本日は、先日行われた学校の一大イベントに向けて、私たちのゼミナール活動でのゼミ生の様子から気づかされたことをお伝えしたいと思います。
私たちの学校では先日「冬まつり」が開催され、地域の子どもやご家族、また保育関係者・教育関係者の方にご来場いただきました。寒い中、御足労いただき、大変感謝致しております。
その中で、私のゼミナールでは子どもを対象とした運動遊びブースを出展することに決めました。最新の運動理論を用いて、現代っ子の身体的弱点を改善に向かわせつつ、新しい教育・保育要領を取り込んだもので、2年生は「巨大つみき」、1年生は「ダンボール迷路」というものを学生たちで考案・企画し、準備に取り掛かりました。
私が赴任してまだ1年経っていない中での不安定な発車だったこともあり、1年生・2年生ともに前途多難で、途中「これは当日出展できないのではないか」と何度も思ったりもしましたし、実際にそのような出来事も多々起こりました。しかしこれではいけないと立ち上がり、自主的に買って出た主担当がリーダーシップと求心力を発揮し、見事に間に合わせました。そして当日は来場した子どもたちは心の底から楽しんでおり、その証拠にリピーターとして何度も遊びに来てくれました。私が言うのもなんなのですが大成功でした。
ただ、その大成功の裏には、見えないところで動いている、一見見落としがちなゼミ生の存在がありました。表立って出てくることは性格上少ないのですが、連日連夜、自主的に連絡を取り合ってくれたり、次に間に合わせるために犠牲になって徹夜で仕上げてくれたり、またこちらのやりたいこと言いたいことを察して何気なく準備をしておいてくれたりと、見逃してしまいがちなのですが、まさにこのゼミ生なしでの成功はありえませんでした。
私の大事にしている言葉に「組織の鍵は副将が握る」というものがあります。思い返せば、部活動の指導に力を入れていた際、副キャプテンの選出は、キャプテンよりも気を使いました。前評判が悪くても、そのような副キャプテンがいる代では勝ち、いい成績を残しました。逆に選手の能力が揃っていても、副キャプテンにしっくりくる選手がいなくて勝てなかったこともありました。
その立ち位置は替えのきかない1ピースで、車に例えると、ボディやエンジンが完成して後は乗るだけだとしても、鍵穴がなければ全てが無となってしまうようなものです。そんな小さい鍵穴的な活躍をいくつもしてくれました。
幼児教育の世界を中心に、全年代の子どもの資質・能力の育成において「非認知的能力」が大きなキーワードとなってきます。大きなことや派手なことをする子どもには、良い意味でも悪い意味でも目が行きやすいです。しかし些細なことやそれ以外のことをしている子どもにも、目を向けられる教育者でなければならないと思います。これが正しく非認知的能力なのだと、そのゼミ生に気づかせてもらい勉強となった活動となりました。
追記
私たちのゼミナール活動を記録したホームページを新しく開設しました。ゼミ生で運営しています。お時間がございましたら、ぜひご覧ください。(私のホームページよりも断然見応えがあります)
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赤堀 達也(あかほり たつや)
旭川大学短期大学部 准教授・元パーソナルストレッチトレーナー・バスケットボールコーチ
幼児体育指導、小学校のスポーツ少年団指導、中学校の部活動指導、高校の体育指導、大学の体育指導及び部活動指導と、全年代の子どものスポーツ及び体育指導の経験を生かし、子どもの運動能力の向上を図る研究を行う。
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