2006.04.18
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教師のためのデジタル仕事術セミナー 第二弾

3月26日、内田洋行 東京ショールーム地下1階CANVASにて「教師のためのデジタル仕事術セミナー 第二弾」が開催された。同会場で昨年12月に行われた「教師のためのデジタル仕事術セミナー」が好評を博し、参加者らの強い要望で今回のイベントが実現した。


堀田龍也先生


三木市立教育センター副所長 梶本佳照氏

  主催の教育情報配信プロジェクトの代表的なメンバーであるメディア教育開発センター助教授の堀田龍也先生から冒頭挨拶をいただいた。堀田先生が、導入に用意したのは、小坂憲次文部科学大臣のビデオメッセージ。教育の情報化最終年度を迎えた3月に、文部科学省が発表した「教育の情報化強化月間」の告知ビデオである。

実態調査によって、目標の半分にも達していないことが明らかになった教育の情報化であるが、アクションプランでは、ICT環境整備の促進、教師のICT指導力の向上、教育用コンテンツの活用促進などが明記されており、今後も推進されることは間違いなさそうである。

 さて、続く講演では、2名の先生から、学校におけるデジタル仕事術について発表していただいた。

 前回は、授業づくり名人の佐藤正寿先生(岩手県奥州市立水沢小学校教諭)、IT達人の石原一彦先生(滋賀県大津市立藤尾小学校教諭)、カリスマ管理職の玉置崇先生(愛知県小牧市立光ヶ丘中学校・校長)が、日常の教育活動における、ICTの活用事例を披露してくれたが、今回は、教育センターの情報化、教務・校務の情報化をテーマに、梶本佳照氏(三木市立教育センター副所長兼指導主事)、西田光昭氏(柏市立土南部小学校教諭・教務主任)に、デジタル仕事術をご紹介いただいた。

 

 梶本氏の発表では、学校内での情報伝達の実態を洗い出し、メモや口頭が中心で途中で紛失してしまう、各係どまりになって全員にいきわたらない、などの問題点を抽出。グループウェアやメールの導入によって改革した事例が紹介された。

 西田氏の発表では、学校内の校務情報を「公開可能なもの」「限定つきで公開可能なもの」「非公開のもの」に分類し、それぞれ、サーバを分割して安全に管理する方法や、学校内で共通して使える教材、校務文書の雛形などの情報共有の仕組みが紹介された。


 


柏市立土南部小学校教諭
西田光昭先生

 

 後半では、第1回のセミナーで講師を務めた、佐藤先生石原先生玉置先生によるポスターセッションが行われ、前回参加できなかった方々も、3人のカリスマ教師のノウハウを吸収する機会を得ることができた。


 

佐藤正寿先生。自分の実践や読んだ本、教材のネタ、業務日誌などをHPで公開し切磋琢磨


石原一彦先生。デジカメやボイスメモ、IP電話なとITツールを手軽に使った授業のアイデアを披露


玉置崇先生。学校HPは毎日更新が信条。メールやネットで校内、地域とも風通しのよい学校を実現

 

 

 

最後に、主催の教育情報配信プロジェクトが、開発中の「Teacher’s Desktop」についての発表が行われた。

「Teacher’s Desktop」は、先生のためのデジタル仕事術を応援するサイトで、自分の関心のあるジャンルやキーワードを設定して会員登録をすることにより、精選されたWebサイト群から最新の情報が自動的に配信される仕組みである。現在ベータ版が完成し、実証実験を開始する予定とのこと。

「実証実験では、現場の先生に実際に使っていただいて、より使いやすいシステムへとチューニングを行っていきたい」と開発を担当した青木栄太氏。

すでに100名近い教員の方が、実証実験に協力したいと手を挙げておられるとのこと。現場の意見を盛り込んだ、本当に使えるICTツールとなることを期待したい。

関連記事:
「教師のためのデジタル仕事術セミナー」(取材リポート)

(取材・文:学びの場.com 高篠栄子)
 

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