2017.05.09
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繋がりましょう!

「伝わった!わかってもらえた!」・・・繋がった瞬間って嬉しいですよね。私達も「学びの場.com:教育つれづれ日誌」を通じて、もっと繋がりましょう!

京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会 中川 宣子

ゴールデンウィークが終わりましたね。
皆さんは、どのような連休をお過ごしでしたか?
今年は、カレンダー通りでいけば5日間の大型連休、そして五月晴れの日が多かったですね。
休み明け、子ども達は元気に、明るい表情を見せてくれました。
きっと、家族と楽しいひと時を過ごせたのだろうと、ホッとしています。
そのような子ども達が楽しかった休みの話を、子ども達とどれだけ共有できましたか?

子ども達の休みの話

休み明け、子ども達と出会う時、多くの先生達はきっと子ども達に、このように声をかけるでしょう。

(先生)「おはよう!元気にしていたかな?(^^)
(先生)「休みは何をしていたかなー?( ;;)
すると子ども達は、
Aさん)「公園(へ)、行った!」
Bさん)「ママー(と行った)パパ―(と行った)!」と、口々に答えます。
またCさんは、ニコニコと微笑んでいます。
そしてDさんとEさんは、質問には知らぬ顔で、朝の準備を黙々と進めています。

「もっと聞きたいなぁ。もっと話したいなぁ。子ども達のこともっと知りたいなぁ。」

子ども達と話をする時、特別支援学校の先生達は、思いっきり想像力を働かせます。
例えば、先程の休みの話の続き・・・

Aさん)「公園(へ)、行った!」
(先生)「そう、Aさん公園行ったの!ブランコ乗ったの?滑り台した?誰と行ったの?お母さん?」
Aさん)「うん」

Bさん)「ママー(と行った)パパ―(と行った)!」
先生)「Bさんはママとパパと行ったのね!買い物?おばあちゃんのところかな?」
Bさん)「ママーパパ―!」

Cさん)ニコニコした表情
(先生)「Cさんは、お出かけしたかな?それとも大好きな絵本を読んでいたかな?」
Cさん)ニコニコした表情

DさんとEさん)朝の準備を黙々と進めている。
(先生)「Dさん、楽しいお休みだった?何していたのかなー?」
(先生)「Eさん、お天気よかったね。お散歩した?」
DさんとEさん)朝の準備を黙々と進めている。

子ども達から発信される僅かな反応を見逃さずに、そしてこれまでの子ども情報を手がかりにして、先生は想像力を働かせて、子ども達に言葉を投げかけます。
「もっと聞きたいなぁ。もっと話したいなぁ。子ども達のこともっと知りたいなぁ。」

本当は「聞いてほしい!もっと話したい!」もっと伝えたい!」

先生が子ども達一人一人に話しかけているうちに、「朝の会」の時間が始まりました。
休みの日や昨日の家庭での様子を、先生と子ども達とでお互いに情報共有する時間です。
早速、「デジタル連絡帳アプリ」を開きました。
(「デジタル連絡帳アプリ」に関しては、これまでの学びの場
.comまたは『ホームページ:特別支援ICT研究会』で検索)
休みの様子を、保護者の方が写真や動画、文字、イラストで伝えてくださっています。
家庭から送られてきた映像を
TV画面に映すと、子ども達はTV画面に注目!

早速Aさんは、自分の写真が映ると「公園!」「ブランコ」「お母さん」「○○ちゃん(妹の名前)」と語り始めました。

Bさんは、自分の写真を見ながら、「ママーパパー」「車」「ばっちゃん(おばあちゃんのところ)」と語り始めました。

Cさんは、動画が流れると立ち上がって、画面を指さししました。すると先生は「Cさん、遊園地行ったんだー。ゴーカートしてる。楽しいねー。Cさんのゴーカート、皆でやってみようか。」と言って、ハンドルを握ったマネをして見せます。周囲の子ども達も一緒になってハンドルを握るマネをして、Cさんの映像を見ながらゴーカートに挑戦しました。Cさんは得意げな表情でした。

Dさんは黙って自分の写真に注目です。すると先生が「Dさん、お祭り行ったんだ。へぇ金魚すくいしたの。金魚とれた?」と話しかけます。Dさんはニッコリ微笑んでいました。

Eさんの動画が映ると、「あー」と先生や子ども達皆が声をあげました。Eさんの動画は「ろうそくに火が付いたお誕生日ケーキ」を前にしているEさんの姿で、家族が歌うハッピーバースデーの歌が流れてきました。思わず先生も子ども達も一緒になって歌い出します。♪ハッピーバースデーEさん~・・・♪
そして歌が終わった瞬間、TV画面の中のEさんも、TV画面を見ている子ども達も、一緒になって「ふーーーっ」とろうそくの灯を消しました。そして一同拍手!!「Eさん、おめでとう!」Eさんは恥ずかし気に下を向いて微笑んでいました。

「伝わった!わかってもらえた!」・・・繋がった!

休み明けの子ども達の休みの話。
どこの学校でも、どの教室でも見られる、子ども達と先生とのやりとりの場面です。
先生達は、子ども達の話を「もっと聞きたいなぁ。もっと話したいなぁ。子ども達のこともっと知りたいなぁ。」と思っています。
子ども達は、先生や友だちに「聞いてほしい!もっと話したい!もっと伝えたい!」と思っています。
CさんDさんEさんのように黙っている子どもでも、本当はそう思っていることがわかります。

いくら想像力を働かせても、言葉だけでは、なかなか伝わらない、わからない。
しかしもし「デジタル連絡帳アプリ」のようなツールがあれば、伝えることができます、わかり合えます。
「伝わった!わかってもらえた!」・・・・繋がった!

もっと繋がりましょう!

子どもと先生、子ども同士が繋がった瞬間の感動が、伝わったでしょうか?わかってもらえたでしょうか?!(^^)!
もし、「よく伝わったよ!よくわかるよ!」であれば・・・・私達も繋がりましたね!
繋がった瞬間って嬉しいですよね。
私達も「学びの場.com:教育つれづれ日誌」を通じて、もっと繋がりましょう!

中川 宣子(なかがわ のりこ)

京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究
「特別支援教育とは、子ども達の特別な才能を学校・家庭・地域の連携により支え、教え、育てること」と考えています。日々の教育実践を、情報発信・交流し合い、共に子ども達の成長・発達に役立てていきましょう!

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