約数・公約数・最大公約数(第3回) この単元の最終回
今回はこの単元の発展問題として代表的な問題を紹介します。一度は解いておかないと、試験で初めて見てもなかなか太刀打ちできないような問題です。正解を導き出すための計算は簡単です。ただし、考え方を身につけることが大切です。他のタイプの問題を解く上で大切なポイントになるからです。
前回の復習で、「47をわると5あまる整数」をすべて求めてみましょう。 解法を見る 60、78、105の3つの数を□でわったら、あまりはすべて同じになりました。□にあてはまる数を求めなさい。 解法を見る かき89個、りんご123個、みかん140個を同じ数ずつ何人かの子どもに分けると、どのくだものも同じ数だけあまりました。こどもの人数を求めなさい。 解法を見る Aを55、Bを76、 Cを114とします。この3つの整数を、それぞれある整数でわると、AとBはあまりが等しくなり、Cのあまりは、Aのあまりより4だけ小さくなります。ある整数はいくつですか。 解法を見る 前回の復習で、「47をわると5あまる整数」をすべて求めてみましょう。 ■ 解法 「47をわると5あまる」ということは、5だけ多かったということですから、47から5をひいた42をわればわり切れるということです。それゆえ、この問題を解くためには、まず、42の約数を求めることでした。 ここで大切なことは ポイント:わられる数からあまりを引けば、わりきれる ということです。 図にすると次のようになります。
42の約数1、2、3、6、7、14、21、42のうち、5よりも大きい数は6、7、14、21、42 で、これが正解です。1、2、3が正解でない理由は前回の「準備体操」を参照してください。 ■ 答え:6、7、14、21、42
説明を続けます。78と60の差である18が□でわりきれるということは、□は18の約数であることがわかります。 つまり□の候補としては、1、2、3、6、9、18があげられます。 ところが、この問題は、105を□でわっても60や78をわったときと同じあまりになるということですので、先の図で同じように考えると、 ・105と60の差である45も□でわりきれる。 ・105と78の差である27も□でわりきれる。 まとめると、□は18(60と78の差)をわっても、45(105と60の差)をわっても、27(105と78の差)をわっても、とにかく3つの数どれをわっても□で割り切れなければならないことになります。 いいかえると、□は18、45、27の公約数ということになります。 18、45、27の公約数は、1、3、9です。 ところが、1と3は3つの数をわりきってしまうので(あまりがないので)正解ではありません。9が正解です。 実際にわり算をしてみると、
■ 答え:9 かき89個、りんご123個、みかん140個を同じ数ずつ何人かの子どもに分けると、どのくだものも同じ数だけあまりました。こどもの人数を求めなさい。 ■ 解法 この問題は問題1と同じタイプで、 「89、123、140の3つの数を□でわったら、あまりはすべて同じになりました。□にあてはまる数を求めなさい。」と言いかえることができます。 □がこどもの人数になります。 問題1と同じように、まず89、123、140の3つの数の差を求めます。
17となります。 17の約数は1と17ですが、1でわっても(1人に分けても)、あまりは0なので、1は正解ではありません。よって17(17人)が正解です。 実際にわり算をしてみると、
■ 答え:17人 Aを55、Bを76、 Cを114とします。この3つの整数を、それぞれある整数でわると、AとBはあまりが等しくなり、Cのあまりは、Aのあまりより4だけ小さくなります。ある整数はいくつですか。 ■ 解法 この問題では、Cのあまりだけ4小さいので、これまでと違って、あまりがすべて同じではありません。そこで、CのあまりもAやBと同じにすれば、これまでの問題と同じように解くことができます。 CのあまりがAやBよりも4小さかったわけですから、Cよりも4大きい、118であれば、あまりが同じになるはずです。 よって、この問題は「55、76、118の3つの数を□でわったら、あまりはすべて同じになりました。□にあてはまる数を求めなさい。」と言いかえることができます。 これまでと同じように、まず55、76、118の3つの数の差を求めます。
21の約数は1、3、7、21ですが、このうち問題文の条件にあてはまるものは、7と21です。 ■ 答え:7または21 実際にわり算をしてみると
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