2005.11.30
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最先端の科学技術が集結! 「アキバ・ロボット文化祭2005」

秋葉原といえば、かつてはマイコン少年、理科好き少年の聖地であった。月日は流れ、今、秋葉原というと、理科少年というよりはいわゆるビデオ、ゲーム、フィギア、コスプレなどなどアキバ系、萌え系の拠点、というイメージの方が強いのではないだろう。が、しかし、理科好き少年の夢再び!という熱い思いを胸に、科学者、企業、秋葉原の商店会メンバーなどなど産官学が集結。「世界のアキバ」「先端技術のアキバ」を目指し、今、秋葉原が変わろうとしている。

 

11月26、27日の2日間、秋葉原ダイビルで、「アキバ・ロボット文化祭2005」が開催された。このイベントは、秋葉原を、最先端の科学技術が集積する「産業観光地」として再生させるべく、産官学が一体となって推進している「秋葉原産業集客事業」(平成17年度経済産業省の委託事業)の一環。「ロボット先進セミナー」、「ロボット製作教室」、「ロボットバザール」の3つのコーナーが設けられ、最先端のロボット技術を「知り」「作り」「触れて」「買える」2日間となった。

「ロボット先進セミナー」では、TVアニメ「創聖のアクエリオン」の監督としても知られる気鋭のメカニックデザイナー河森正冶氏、「ロボットスーツ」の研究で知られる筑波大学大学院教授・サイバーダイン取締役 山海嘉之氏が、ロボットの魅力を語ったほか、出典企業各社の開発担当者がロボット誕生秘話を語るなど、盛りだくさんの内容だった。

「ロボット製作教室」では、基本のはんだづけ、ドライバ一本で組み立てられるロボットの制作など基礎編から、二足歩行ロボットを組み立てパソコンで動かす上級編まで、5つの講座が開催された。

「ロボットバザール」では、人型、犬型、鉄人28号型(?)などなど、最先端のロボットが展示即売された。価格帯は安くても10万円くらい、高いものは百万円以上と、簡単に手が出るものではなかったが、これからどんどん研究が進めば近い将来、一般の家庭でも手の届きそうなロボットが市場に登場するに違いない。

さて、以下は学びの場.com特派員矢島によるフォトレポートを紹介しよう。

ロボット先進セミナー

「ロボット先進セミナー」では、筑波大学大学院システム情報工学研究科教授の山海嘉之氏が開発した「ロボットスーツHAL」が披露された。「ロボットスーツHAL」は、脳の信号を無数のセンサーが察知し、筋肉のパワーを増量させる夢のモビルスーツ。これを着た細身の男性が、40kgのお米(小柄な女性くらいに相当する)を軽々と持ち上げて、その威力を見せてくれた。「ロボットスーツHAL」は充電電池式。実用化する日が待ち遠しい。

ロボット製作教室
~上級編~


子どもたちが自分の手でロボットを作るコーナー。上級編は、小学校高学年の参加が中心。小学生とはいえ、彼らはただ者ではない。ハイクラス・ロボットをいとも簡単に黙々と組み立てていた。

ロボット製作教室
~初級・中級編~

このコーナーは、小学校中・高学年が中心。要所要所でお父さんやお母さんの手も借りながら、思い思いに、自分だけのロボットを組み立てていた。ワイワイガヤガヤと楽しそう。

バザール会場

犬型ロボットと会場内を散歩する男性。男性の持っている猫(犬?)じゃらしを狙ってその犬型ロボットは一生懸命歩いている。人間が犬をよけながら……。

バザール会場
~三菱重工

会場の入り口では三菱重工の「WAKAMARU」(税込1,575,000円)がお客様を暖かく迎え入れてくれていた。コミュニケーション能力に優れ、高齢化社会の強い見方になってくれる予感。近い将来、あなたの家にもWAKAMARUが新たな家族の一員になるかも。

バザール会場
~ラオックス

売れ筋ナンバー1はこれ! この「リモコンロボット」は体の動きが自由自在で、逆立ち、ダンス、倒立、腕立て伏せ……なんでも出来ちゃうのだ。気になる価格はなんと98,000円と、この会場ではかなりお手ごろ。大きさもコンパクト(向かって左のノートPCと比べてみて)なので、自宅に1台買ってもよさそう(誰か買って!)。

バザール会場
~テムザック
留守番ロボット「ROBORIOR」は、ご主人様が外出先から携帯電話(NTTドコモ・FOMA)で「ROBORIOR」にアクセスすると、遠隔地でも、「ROBORIOR」の目で見ている映像を携帯電話の画面で見ることができ、テレビ電話として双方向の通信も出来る。緊急ボタンもあり、お子さんや高齢の方が留守番していても、安心して外出できるすぐれものだ。
会場内のようす

2日間で数千人が訪れたこのイベントは、親子連れも多く、ロボット好きだけでなく、誰でも気軽に楽しめる雰囲気だった。

 

このイベントでは先着3000名に、「AKIBA Town Card」が無料で配られ、会場内で買い物をする際に提示すると、ポイントがたまるなどのサービスが提供された。このカードは、今後、秋葉原の街における顧客サービスの基盤となるものとして開発が進められている、ICタグ・ICカードである。「秋葉原産業集客事業」の実証実験として特定非営利活動法人産学連携推進機構が実施中。詳しくはhttp://www.akibatechnopark.jp/をご覧ください。

(学びの場.com特派員:矢島孝史)

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