科学大好き!!みんなで学ぼう 科学教育連携シンポジウム2005
3日間連続して行われた「科学教育連携シンポジウム2005」。2日目、3日目は、学びの場.comに、インターンシップとしてお手伝いに来てくれた学生2名にレポートしてもらいました!! 今回は、福山由紀さんの登場です。
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理科離れが叫ばれている昨今ではあるが、適切な指導や工夫で、子供たちの興味・関心を引き出すことで、学ぶ意欲は高まるはず。このような主旨から、教科書や学校の枠を超えて、さまざまな科学教育を行っている学校の事例を紹介する、今日の「科学教育連携シンポジウム2005」。初日には、SSH(Super Science High school)・SPP(Science Partnership Program)に参加した中学生・高校生を中心に成果発表が行われた。生徒たちは最先端の科学技術に触れ、研究者たちの情熱に触れた感動を語ってくれた。 2日目の24日は教員による発表会。昨日、目を輝かせて発表をしてくれた生徒たちの指導者側の苦労や成果の発表である。生徒の興味を引くにはどのように取り組んだらいいか、科学館との連携をとりながら教員視点で進められた。どんよりとした天気にもかかわらず、生徒たちに新しい刺激を受けさせ関心や意欲を高めてもらいたいと思っている教員や、科学に興味がある学生たちを含め、多くの人が来場し、熱気あふれる会場となった。 今回のイベントの中心でもある代表発表・ディスカッションは共に、SSH・SPPの参加校の発表が中心となった。 「生徒たちが進みたいと思っている進路も、実は未知の世界であり、しっかり見極め考えてもらいたい。」、「学校の授業では、教える内容は限られてくる。しかし実際は複雑であり、分からないことも多い。自分で問題提起をし、悩みながらも自分で考えていくことが何より大切であるということを学んでもらいたい。」など先生は、各自このイベントに参加した目的を語った。 その思いはしっかり生徒に伝わり、前日 壇上に上がっていた生徒の半分は「今後も科学に携わっていきたい。」と答えた。その他の生徒も、自分にとって科学は身近なものであると認識し、視野を広める上ではとてもいい経験になったようだ。 どの先生も連携活動には苦労をされたようだが、生徒各自が改めて自分を見つめ直し 新たな視野を広げ、将来を真剣に考えるようになるなどの、生徒たちの変化に大きな手ごたえを感じたようだ。生徒たちのポジティブな変化が、次の活動の原動力となるに違いない。
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ディスカッションに参加した毛利館長。 |
ディスカッションには宇宙飛行士であり、また日本科学未来館の館長でもある毛利衛氏も参加し、現在の教育、特に「子供たちに興味をどのように持たせたらいいのか。そのために教師にとって大切なこと」について白熱した討論も見せてくれた。
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実際に作った藍染めを見せてくれている岩藤先生。 |
同時開催の「未来の教室」・「科学実験教室」では、科学を身近に知ってもらおうと中学生以上の生徒を対象に4回にわたって授業が行われた。 藍染めから学ぶ化学や光学異性体では、自分たちが主体になって実験に参加できることもあり、生徒たちは授業前から興味津々で机の前にかじりつくように集まっていた。 ◆薬品を使用して藍染めを体験してみよう
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◆手にとって学ぶ、光学異性体
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科学を英語で熱心に説明している今野先生。 |
◆英語から身近な科学を学ぶ 最後に埼玉県立川越女子高等学校の今野文彦先生による英語の授業を紹介しよう。なぜ科学中心のイベントに英語が?と疑問に思う方も多いだろう。今野先生は、教材として、海外の科学雑誌のサイトの記事を活用している。そこには、まだ教科書にも載らないような最新の科学情報があふれている。「英語は苦手だけど、科学が好きだから英文が読めるようになった。」逆に「科学は嫌いだったけど、記事を読むうちに興味が出てきた。」など、最先端の情報への興味が学ぶ意欲につながったという。 今回のイベントは、夏休み中ということもあり生徒にとってとても貴重な時間ではあったが、イベントの参加によって普段学校では味わうことのできない体験を通し、科学を身近に感じて科学というものを改めて考え直した生徒も多かったようだ。 今後もさまざまな人たちに新しい刺激を受けて視野を広げてもらおうと考えている日本科学未来館ではたくさんのイベントを用意している。
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