和差算
前回「旅人算」の最後の解法で「和差算」について、簡単に説明しました。和差算とは、2つの数の和と差がわかっているとき、2つの数を求める計算のことです。今回は具体的に問題を解きながら理解を深めていきましょう。
48cmのリボンを切って、A、Bの2本に分けます。AはBよりも8cmだけ長くなるようにするためには、AとBをそれぞれ何cmにすればよいでしょうか。 ■ 解法 和差算の基本問題です。和差算の問題は次の3つの解き方で解くことができます。 解法(1):図に表して解く 解法(2):公式で解く 解法(3):方程式で解く では、それぞれの方法で解いてみましょう。 解法(1):図に表して解く 和(合計)は48cmですから、仮にAのリボンの8cm分をのぞいた場合、残りはcmのリボン2つ分(Bのリボン2本分)になります。このcmのリボン2つ分長さは、48-8=40cmであり、cmリボン1本分の長さ(Bのリボンの長さ)は20cmであることがわかります。 よって、Aのリボンは20+8=28cm、Bのリボンは20cmにすればよいことがわかります。 ■ 答え Aのリボンは28cm、Bのリボンは20cm このように問題文だけを見て、頭のなかだけで考えると、混乱しそうな問題も、図に表すと簡単に解けてしまうことがわかると思います。問題文を図で表すことができれば、問題は解けたも同然です。 解法(2):公式で解く 和差算の公式は次の通りです。とてもよく知られている公式です。
ここでは、2つのリボンの長さの和は48cm、差は8cmですから、この公式にあてはめてみると、 大きい方の数=(和+差)÷2=(48+8)÷2=56÷2=28 …Aのリボン 小さい方の数=(和-差)÷2=(48-8)÷2=40÷2=20 …Bのリボン と簡単に解けてしまいます。
■ 答え Aのリボンは28cm、Bのリボンは20cm ※ 和差算は通常小学校3年生で習い、算数なので方程式は使いません。 そのため以下の問題ではこの解法(3)は割愛させていただきます。
長さ30mのロープを切って、A、B、Cの3本に分けました。AはBより5m長く、BはCより2m長くなっています。このときA、B、Cそれぞれの長さを求めなさい。 ■ 解法 和差算の応用問題です。いままでのように2つに分けるのではなく、ここでは3つに分けています。どうやって求めればよいのでしょうか。ヒントは問題1の解法(2)で説明した重要ポイントにあります。「長さをそろえる」という考え方をすれば、2つに分ける場合でも、3つに分ける場合でも同様にして解くことができます。それでは、まず図に表してみましょう。 このように、Bのロープに5m、Cのロープに7m追加すると、3つのロープの長さがそろいます。これで、Aのロープ3本分になりました。 Aのロープ3本分で、30+5+7=42m だから、 Aのロープの長さは42÷3=14m Bのロープの長さは14-5=9m (Aよりも5m短いから) Cのロープの長さは9-2=7m (Bよりも2m短いから) ■ 答え Aは14m、Bは9m、Cは7m |