2003.06.01
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New Education Expo 2003 in 東京 3日目(5月31日)潜入ルポ!~後編~

"未来の教育を考える" 教育関係者向けセミナー&展示会として、毎年、教育関係者のお客様から大好評の「New Education Expo 2003」。今年も5月29日~5月31日・東京会場、6月10日~6月11日・大阪会場にて開催されました。第8回目となる今回も、数多くのメニューが取り揃えられ、会場内は熱気の渦。そんな各セミナー・ブースに、学びの場.com特派員が潜入、その様子をレポートしてまいりました!


いよいよイベント最終日。学びの場.comライター田中雄一郎のレポート後編です。出展企業さんのブースにお邪魔しました。



スズキ教育ソフト株式会社
 これだけ普及していれば、すでにスズキ教育ソフトの「ハイパーキューブ」や「ハイパーキューブネット2」を使っている学校は、かなりの数になると思われるが、シリーズ最新作である「ハイパーキューブネット2」が展示されているのを見て、一つのソフトでここまで色々なことができるのかと驚かされた。今回の展示では、その「ハイパーキューブネット2」を初心者の方でも気軽に使ってもらうために「らくらくキューブ」機能を追加したものが紹介されていたが、これは「ワープロ」「おえかき」「プレゼンテーション」「インターネット」と、最も使われる機会の多い4つの機能に限定したものだという。多機能なものもありがたいが、こうしたシンプルなものを望む先生も多いだろう。



株式会社ラティオインターナショナル
 ここで展示されていた「プロジェクタ教材シリーズ」は、授業にプロジェクタを用いる際に使うためのコンテンツだという。言われてみれば、ミレニアムプロジェクトで普通教室にプロジェクタの導入が進められているが、それに見合ったコンテンツというのが見当たらない。これでは実際にプロジェクタを導入しても、それを使って生徒に見せる教材が無いという状況も考えられ、こうしたプロジェクタで提示するためのコンテンツは、これから益々重要になってくると思われる。また、先生方に向けたソフトとして「Word・Excel」速習も紹介されていたが、先生もこうしたソフトを使って自学自習でスキルを高めながら、教育の情報化についていく必要があるのかもしれない。



株式会社東大英数理教室
 「PC教育シリーズ 教育素材集」に収録されている素材の点数が、12,000点ということに、まずは驚かされる。しかも、その全てが教育現場での使用を前提に集められたものということを考えれば、活用の幅は広いと思われる。ネットにあげられている画像を無断で使用するなど、著作権に触れるようなケースが教育現場でも見られ、先生方にも著作権に対する意識を持ってもらいたいところだが、ここで収録されている素材は著作権フリーなので、その心配もいらないのが喜ばれるだろう。これまで単体のソフトとして展開されてきたPC教育シリーズだが、現在は ⅰPC教育シリーズとして、サーバーを介して地域で利用されるケースが多いそうで、その使い勝手の良さから、こうした形態のものが主流になっていくことが予測される。



株式会社新学社
 生徒の交流に掲示板を利用している学校は、どれぐらいの数になるのだろうか。新学社ブースで展示されていた「スクールメール」の掲示板機能を見て、教育現場にもネットを使った新たな交流が生まれるのではという感じにさせられた。通常のネット掲示板だと、学校外の人まで書き込めてしまうので、様々な障害が予測される。それが同一校内の使用に限定されるということで、生徒同士の会話、先生と生徒の連絡などが、掲示板を通じて行われるということもあるのではないだろうか。多国語翻訳機能も付いているということで、国際交流の架け橋にもなればというのが、新学社の望みでもあるようだ。


東京書籍株式会社
 理科教材は動画で見るのが一番分かりやすい。昆虫の生態などの動画画像を見るたびに、そんな思いにかられるが、貴重な映像だけに教材として出回っている動画コンテンツの数はそれほど多くはない。東京書籍ブースで展示されていた「動画データベース」は、生物や地学に関する動画をDVD-ROMに収録したものだが、教科書会社ならではの豊富な動画コンテンツの数々は目を見張るものがある。今後は歴史分野に関しても販売するそうで、どのようなものになるか期待される。それと並び紹介されていた「都道府県Webデータベース」は、地域の統計資料を収録したものだったが、写真資料と地図サイトが連動している点や、地域内の主要な場所のサイトにリンクしている点などは、マルチメディア化されたものならではの、ペーパー資料には無い見易さがあった。



株式会社創育
 普通教室にパソコンをというが、実際にどういった場面で活用するのかは、想像しにくいものがある。創育ブースで見た「eランチシリーズ」は、その疑問に答えてくれるようなものだった。サーバーにインストールすれば、LANに接続されたパソコン全てで使えるという使い勝手の良さや、後ろの席の子どもでも見やすいように文字を大きくしたという工夫は、2005年の教育改革、さらにはそれ以降のマルチメディア教材のあり方を示唆しているように思われる。興味深かったのは、校庭で採取した植物を、パソコンを使って調べることもできるが、図書館で本を使って調べることもできるように、eランチには関連書籍まで紹介されている点。様々なメディアを使って調べ学習を進める子どもの姿が目に浮かんだ。



株式会社ジャストシステム
 ジャストスマイルが発売されたのは、今から4年も前になるという。子どもが使うことを前提に作られた統合ソフトは、当時の教育現場において画期的なものだったが、6月30日には「ジャストスマイル2」が発売されるという。これまで寄せられた先生方の要望に合わせて細かい部分を、いろいろと作り変えているそうだが、最も大きく変わったのは地図作成ソフトである「地図スタジオ」の追加と、新たに加わったグループウェアソフト「つたわるねっと@フレンド」だそうである。子どもにネット上のモラルを教えながら、メールや掲示板を活用させるものだが、そこにはジャストスマイルのころから見られた子どもへの配慮があった。おもしろそうなのはアンケート機能で、遠足に行きたい場所や、お気に入りの給食の献立など、簡単に項目を立てて集計が行える。この機能は子どもがコンピュータに興味を持つきっかけになるのではないだろうか。



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