2005.08.08
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50年前のロケットを飛ばそう! 「ペンシルロケットフェスティバル」

50年前のロケットを飛ばそう!

直径2cm、全長23cm、重量約200g。両手にすっぽりおさまるほどの小さなロケットが、50年前に糸川英夫博士によって日本で初めて打ち上げられた。これを記念して幕張メッセで「ペンシルロケットフェスティバル」(主催:宇宙航空研究開発機構)が行われる。今回のイベントの企画を担当されたJAXA広報部の平川倫子さんと宇宙教育推進室主査の堀口俊尚さんに、「ペンシルロケットフェスティバル」の見所をお聞きした。


ペンシルロケットを手にする糸川博士(写真提供:JAXA)

 

 50年前に日本ではじめてロケットが打ち上げられたことはご存知だろうか。直径2cm、全長23cm、重量約200g。そのその軽量コンパクトな形から、ペンシルと名づけれられたロケットが、1955年4月12日、糸川博士によって打ち上げられた。


これがペンシルロケットの実機。意外に単純なつくりなのでびっくり。筒状の本体に火薬をつめて発射したという。(写真提供:JAXA)


50年前に使用された実験装置。木の枠に電線を通した半紙が取り付けられている。(写真提供:JAXA)

 それからちょうど50年目の今年、20代、30代の若手エンジニアたちが、当時の設計図や論文を読み解き、50年前と同じペンシルロケットを再現。8月19日の「ペンシルロケットフェスティバル」で、実際に飛行実験を行う。

 ロケットといえば、「上に打ち上げるもの」というイメージがあるが、ペンシルロケットは、「水平発射」といって、横向きに発射する。なぜなら、50年前に飛行したロケットには、飛翔状況のデータを正確に記録できるシステムがなく、上に打ち上げたのでは、ロケットの行方を追うことができない。そこで、水平に発射し、高速度カメラで撮影するほか、木の枠に電線を通した半紙を貼り付けた装置をつくり、ペンシルロケットが紙を突き破るタイミングや破け方で、飛翔状況を確認したという。「ペンシルロケットフェスティバル」では、この実験装置も当時のままに再現するという。
 


クイズラリー全問正解者にもらえるスペースバンド。このスペースバンドをつけることは、次の50年のロケット開発を自分が支える、という決意表明でもあるのだ。(写真提供:JAXA)

 余談だが、スペースシャトル・ディスカバリー号に搭乗した野口宇宙飛行士は、糸川博士の夢を宇宙に届けるべく、50年前に飛行したペンシルロケットの実機を宇宙ステーションに持ち込んだという。ペンシルロケットに込められた野口宇宙飛行士のメッセージを紹介しよう。
「50年前に打ち上げられたロケットをお借りして、国際宇宙ステーションに持ち込みました。大きな夢というのは実現するまでに、すごく長く時間がかかることがあります。このロケットも50年前初めて打ち上げられてから、ずいぶん長い時間かけてついに宇宙ステーションまで来たわけですけれど、皆さんの夢も長い時間をかけていつか実現するよう祈っています」。

 さて、「ペンシルロケットフェスティバル」の見所は、言うまでもなく、11:00~、14:15、16:00~の3回行われる、ペンシルロケットの発射実験だが、ほかにも宇宙飛行士のトークショーと握手会、宇宙を身近に感じてもらうために、各企業が工夫をこらし、実験や体験ものをメインにした展示ブース、全問正解すると記念グッズがもらえるクイズラリーなど、大人も子どもも楽しめるイベントとなっている。

「50年前の様子を再現し疑似体験してもらうことで、かつての開発者たちの業績を振り返り、次の50年のロケット開発を担うのはあなたたちですよ、と子どもたちに伝えたい」
と今回の企画の中心メンバーである平川さん。この熱い思いはきっと会場を訪れる人たちに伝わることだろう。50年に一度の貴重なイベント。ぜひお見逃しなく! 


関連サイトhttp://edu.jaxa.jp :JAXAの教育専門機関である「宇宙教育センター」のホームページ。JAXAが実施ている教育活動についての情報や教材の提供などを行っています。)
 

今回お話いただいた平川さん(向かって右)と堀口さん。手にしているのは、日本が誇る2大ロケット、M-V(向かって右)とH-IIA(同左)の模型。


展示されている宇宙服のレプリカ。かなり大きい!


JAXAについて知りたい方のために!~ショールーム「JAXAi」~

「ペンシルロケットフェスティバル」を主催するJAXAのショールーム「JAXAi」がJR東京駅丸の内北口前の丸の内オアゾにある。JAXAiでは、宇宙航空関係の最新情報を提供している。野口宇宙飛行士のフライト中は、NASA TVでミッションの模様を生中継で放映。宇宙服のレプリカや、話題のスペースラム(宇宙食ラーメン)の実物も展示された。貴重な映像資料やビデオソフトの貸し出しも行っている。ぜひ一度訪ねてみて!

千代田区丸の内1-6-4オアゾ ショップ&レストラン 2F
JR東京駅丸の内北口より徒歩1分。10:00~20:00年中無休

(取材・文/学びの場.com 高篠栄子)

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