2003.09.02
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平和への祈りを込めたこどもサッカー大会(vol.1)

平和への祈りを込めたこどもサッカー大会(vol.1)

関東地方にひさしぶりに夏の太陽が戻った8月22日。都内西が丘サッカー場には朝から元気な子どもたちのすがたがありました。集まった子どもはイスラエルから11人、パレスチナから11人、そして日本から22人の総勢44人。鮮やかな緑の芝生にいろいろな言語が飛び交っています。

 

 このイベントの正式名は「第一回イスラエル・パレスチナ・日本の子供達による親善サッカー大会2003」。両国の平和を願う日本の有志の方々による初めての試みで、運営もボランティアによる手作りでなされています。(主催:イスラエル・パレスチナ・日本の子どもたちによる親善サッカー大会2003実行委員会/実行委員長:小池大哲)

 折りしもイスラエル・パレスチナ間ではテロと報復合戦が再燃し、停戦協定が破棄されるという超緊迫情勢のなか、遠くはなれた日本で両国に日本を加えた3つの民族の子どもによる混成チームが親善サッカー試合を行うというものです。
予想以上に多くのテレビカメラが並ぶなか、わが学びの場取材班も体感40℃のピッチに降り立ちます。

 
ボランティア、テレビクルーたちが忙しそうに走り回る! 福田正博選手にサインをねだる観戦者たち!
ジーコ、福田正博、岡田正義、豪華メンバーが談笑する姿をキャッチ! 開会式。挨拶に立つジーコ監督に大声援が!
福田正博選手の挨拶 岡田正義氏の挨拶
   さぁ開会式。
特別ゲストは、"神様"ジーコ日本代表監督、"ミスターレッズ"福田正博氏、"国際A級審判員"岡田正義氏と超豪華!!スタンドで観戦するオトナのほうが興奮気味です。
ジーコさんの「国のことは偉い人たちにまかせて、日本を楽しんで。」という開会メッセージに、今の平和な日本の子どもたちは何かを感じ取ってもらえたかな。と思いつつ、混成チームによるゲームのスタートを見守ります。

 「Piiiii!」
 岡田主審の笛を合図に、サッカーが上手な子も、生まれてはじめてサッカーをやる子も、ひとつのボールを無心に追いはじめます。ジーコさん、福田さんもそれぞれのチームに分かれ子どもたちに加勢します。が、やっぱり主役は子どもたち。ひとりひとりの顔は真剣そのもの。相手ゴールを目指して同じユニフォームの仲間に一所懸命パスをつなごうとします。ピッチ上にはこの瞬間、たしかに、国も年齢も性別も存在しませんでした。ユニフォームで色分けされた2つのチームそれぞれが相手ゴールにボールを蹴りこむことだけを目標に、ただ懸命に走っているという非常にシンプルかつ健全な対立があるだけです。スポーツの魅力は、こんなところにあるのだなぁと感じ入ってしまいました。
 

 
さあがんばれ! ジーコがパス!
福田選手も手を抜かず本気のプレー パスを上手につなげて!

 面白かったのは、ハーフタイム。開会式では「今日は、楽しんで」と言っていたジーコさん。勝負師のハートに火が点いたのか、子どもたちに「ガンバッテ!」「まわり見て」「もっと声だして」(たぶんそう言ってる?)と指示を始めます。一方の福田さんも真剣モード。子どものひとりが「ジーコさんと握手してくる」と言い出すと、「まだ試合中!ジーコは敵だぞ。握手は試合が終わってからな」とたしなめます。
 どんな試合でも勝ちにこだわってベストを尽くそうとするこの姿勢は、きっと子どもたちに伝わったはず。そして勝つためにひたむきになるからこそ「サッカーは楽しい」のだとお二人は伝えたかったのでしょう。

ジーコがなにやらアドバイスを 福田選手も子どもたちに声をかける

 こんなシーンも目にしました。
 祖国のおかれた状況について子どものコメントを取ろうとするテレビクルーの方に対し、「この子たちの置かれている立場をよく考えて。こどもたちの心を傷つけないように質問は慎重に。」とお願いするボランティアの皆さん。
 このイベントを陰で支えるボランティアの方々が子どもたちを想う真剣な姿には頭が下がります。

 2試合があっという間に終了し、さいごは皆で記念撮影。いっしょに汗を流したせいか、朝よりも皆の笑顔が自然に溶け合っているように感じます。
 さまざまな方の平和への想いと地道な努力とで第1回を迎えたこの大会が、いつの日か第3国の日本ではなく、イスラエル・パレスチナそれぞれの地で開催できる日が来ることを願わずにいられません。


~第1回おわり・第2回につづく~
(取材・構成:学びの場特派員 学び太郎)

◆こぼれ話◆
 ジーコさんは、この日に祖国ブラジルに里帰りの予定。飛行機の時間が迫り、コメントをいただくことはかないませんでしたが、聞くところによれば、このイベントの趣旨に賛同され帰国を1日延期されたとのこと。このことだけで、ジーコさんの子どもたちや平和に対する想いが感じられ、胸がいっぱいになります。

 

 
   
 
ベンチで仲間を応援する子どもたち! 応援にも熱が入ります!
 
前半、シュートを決めた選手にインタビュー! リードされた福田チーム、後半頑張れ!
 

実行委員長の小池大哲氏。

最後は仲良く記念撮影!

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