2011.07.19
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16th New Education Expo in 東京 現地ルポ(vol.3)

16th New Education Expo in 東京 現地ルポ(vol.3)

「New Education Expo in 東京」が6月2~4日の3日間、東京・有明の東京ファッションタウンビルで開催された。[1]、[2]に引き続き、その模様を紹介する。ラスト第三弾は本イベント特別協賛の内田洋行による研究・発表・提案を中心にお送りする(なお、セミナーは事前に行った「あなたが見たい! New Education Expo 2011セミナー投票アンケート」結果より、上位ランクを取材しました)。

これまでの授業をよりよくするICT活用、教育環境の提案

内田洋行と玉川大学は2009年4月より、教育現場におけるICT活用に関する共同研究「UTプロジェクト」を行っている。このプロジェクトでは、従来の授業のよさを活かす普通教室でのICT環境、そこで活用されるデジタル教材に求められる機能等について研究を進めている。今年も普通教室でのICT活用を活発化させるためにはどのようなアプローチが必要であるか、多角的に調査・分析した結果が発表された。展示会場には、内田洋行が開発を進めている国産木材を使った教室や教具が出展。教育環境における持続可能な社会システムの構築が提案されていた。

セミナー
現実的な普通教室のICT環境と指導者用デジタル教科書の活用
~玉川大学と内田洋行の共同研究の成果から~

玉川大学 教職大学院 教授 堀田 龍也 氏
横浜国立大学 教育人間科学部 准教授 野中 陽一 氏
富山大学 人間発達科学部 准教授 高橋 純 氏
内田洋行 教育総合研究所

普通教室でのICT活用はまず「常設」から

堀田教授はまず、「普通教室における日々の授業で、どのようにICTを使い、無理なく実践をしていくか」という視点でこの研究を行っていることを強調。続いて内田洋行教育総合研究所の中尾氏が普通教室におけるICT環境の整備と活用に関する全国調査結果から、教室に「常設されている」ICT機器は使用頻度が高く、まず常設することが重要と報告した。ある学校でのICT活用について観察・調査を行った野中准教授は「ICTの導入によって授業スタイルが革命的に変わるわけではなく、そうした機器の活用によって総合的に授業がうまくなっている」という結果を報告した。指導者用デジタル教科書の活用分析を行った高橋准教授は、デジタル教科書を使う際にも、これまでの授業での板書や掛図のノウハウが使用に活きていたという分析結果を報告した。

セミナー「現実的な普通教室のICT環境と指導者用デジタル教科書の活用」

堀田教授は「日本の教科書は完成度が高い。そのため、デジタル教科書も紙媒体のものと同じ見え方ができ、かつ多くの教師が行っていた焦点化する部分の拡大機能がつけられれば」と提案。紙の教科書に記載されている内容以外のコンテンツとのリンクや、書き込み保存機能などについては、デジタル教科書外での対応の可能性を説いた。

展示ゾーン

[豊かな心をはぐくむ『木教育』] 教育効果に期待。国産材の積極利用を提案

教室・教具の提案コーナー以外にも、本イベントの入り口や受付、廊下など会場内の様々な場所で国産材が使用された
教室・教具の提案コーナー以外にも、本イベントの入り口や受付、廊下など会場内の様々な場所で国産材が使用された

2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が交付されたことをきっかけに、学校現場でも国産材を利用した建築や教具が積極的に導入されるようになってきた。国産材は輸入材に比べ値段が高く、また杉や檜などはその材質から傷がつきやすいなど、学校現場での利用にはハードルが高かったが、内田洋行では、コーティングなどに工夫を凝らし、傷がつきにくい教具を開発。

今回の会場内では各所に国産材が使用されたほか、図書テーブルや書架、児童・生徒用の机や椅子が展示された。学校現場ではこうした国産材を導入することで、値段は高くても、国内の森林再生という環境への配慮ができ、また地元の木材を使うことで地域とのつながりを生む等、教育的な効果を期待できることから、需要は高まっている。

[教育総合研究所・学びの場.com] 調査・研究から生まれた実用書籍に注目が集まる

教育総合研究所と学びの場.comのコーナー

受付を通ってすぐ右の展示ゾーンには、教育総合研究所と学びの場.comのコーナーが設置されていた。今年のブースは大型モニターでより見やすく工夫され、2枚のパネルのうち1枚は学びの場.comを紹介したもの。また、教育総合研究所が関わった調査の報告書や書籍も展示。調査・研究に基づいた実用的な書籍『わかる・できる授業のための教室のICT環境』(堀田龍也・野中陽一 編著 三省堂)、『電子黒板活用ガイド』(電子黒板活用効果研究協議会)等は特に、多くの来場者の目を引いていた。

写真:言美歩/取材・文:菅原然子 ※写真の無断使用を禁じます。

 
 

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