2014.10.23
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支援学校でのICT研修会

北海道札幌養護学校 教諭 郡司 竜平

他の特別支援学校へ 

 先日、日本で最北端の特別支援学校からICTの活用について研修会を実施したいので、講師として来ていただけないだろうかとお話をいただきました。講師依頼をしていただいたのは、なんと高校の同級生でした。断る理由もないですし、少しでもお役に立てるのであればということでお受けしました。校内向けの研修会でしたので、課業日の児童生徒下校後に実施ということで、勤務校の学年の仲間に留守をお願いして、行くことにしました。

 公開研究会などで他校の授業を見る機会はありますが、公開ではない、本当の日常行われて授業を?見させていただけるのは大変貴重な機会ですので、とても楽しみにしていました。

 移動は、さすが北海道!!という距離でしたが…、どんな子どもたちに会えるのか、どんな先生たちに会えるのか、どんな授業に会えるのかと楽しみに行きました。着くとすぐに教頭先生が小学部から高等部までの各授業・各教室を全て案内してくださいました。どの教室でも落ち着いて学習に取り組む子どもたちの様子を見ることができ、また真摯に授業に取り組む先生たちの様子を見ることができました。リラックスした子どもたちと先生たちの活気のある本当のやりとりを見ることができ、大変参考になりました。見学する際は、どうしても現任校と比較しながらになってしまいますが、学校規模、児童生徒数、学習環境など観点別に見るとある意味、理想的な状況の学校だなと感じました。

 

ICTの研修会は

 皆さんやる気満々でした。授業を見学させていただいた中で、タブレット端末を活用されている先生は、2、3名だったかと思いますが、その分、これからやろう!!としている先生が非常に多く、目の輝きが違いました。今回も実際に端末に触れていただきながら、お話をさせていただいたのですが、子どもたち同様に先生たちは恐ろしい程の集中力で、話の中で紹介させたいただいたアプリを操作していました。私の話は、いつもと変わらずアナログとデジタルの話、自ら動くための環境設定、子どもたちの変容を中心にしました。

 ここで、あ、いいな、と感じたのは、先生たちが端末に触れながらすぐに子どもたちの活動をイメージできていたところです。そして、その話を他の先生とすぐにその場で共有していたところです。これが、できそうでなかなかできないんですね。この学校の先生たちは、一人の子どもに対してみんながイメージを共有できているように見受けられました。ですから、一人が子どもの話を始めるとどんどん膨らんでいくのです。これは本当に素晴らしいことだなと思ったのと、同時にタブレット端末を指導に導入しても大きな失敗はしないだろうなと思いました。

 

そして欲張りにも。

 ?翌日は土曜日でしたが、欲張りな私は、保護者さん向けにもお話をさせていただきました。休日でしたが、数名の先生たちにもご無理をいってお手伝いいただき、在籍している子どもたちの6、7割の保護者の皆さんにお集りいただくことができました。

 こちらでは、学校での事例に加えて、ご家庭での活用、学校と家庭での連携の仕方を中心にお話させていただき、実際にアプリを動かしてもいただきました。昨日の先生たち以上に熱心な保護者の皆さんでしたので、予定していた時間はあっという間でした。

 実際の購入を予定されている方などもいて、購入する時のポイントや活用の仕方などもちょっとだけお話させていただきました。

 端末を動かしている時は、昨日と同じ光景を見ることができました。先生と保護者さんが端末を囲んで一人のお子さんについて、実に具体的に話し合っていたのです。

 それを目の当たりにした時に「この仕事を受けてよかったな」と心から思いました。

 

 2日間でお話させていただいたことの一つでも開花すれば嬉しいです。

 

 追伸:最北端のホテルでの朝食はバイキング形式にもかかわらず「いくら」がのせ放題で、加えてお刺身とカニ汁までありました…。

郡司 竜平(ぐんじ りゅうへい)

北海道札幌養護学校 教諭
小学校支援級、通常級と担当させていただき、現在は札幌養護学校小学部にいます。ここでは、私が取り組んでいる特別支援教育におけるICTの活用について具体例を交えながらご紹介していけたらと考えています。

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