2012.12.17
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持久走の学習を充実させたい・・・

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明

持久走について書きます。

以前も一度、持久走について書きました。

今回は、少し内容を詳しく書きたいと思います。

 

持久走は、体育の中で、子ども達が嫌がるものの中でトップです。

もしかしたら、小学校で行われるものの中で最も子どもに嫌がられているものかもしれません。

 

そんな持久走ですが、やり方によっては、大きな学びがあります。

持久走だけでないのですが、「嫌々」取り組んでいる学習からは、学びが少ないです。

自ら取り組んでいる学習からは、多くの学びがあります。

私は、自ら取り組んでいる学習は嫌々取り組んでいる学習の10倍効果が高いと子ども達に日々話しています。

だから、持久走も子ども達が、嫌々ではなく、ある程度意欲を持って取り組ませたいと思っています。

 

そんな中で行っているのが「ミニ駅伝」です。

 

ポイントの1つ目は「距離」です。

「ミニ駅伝」は、リレーを少し長めにした感じのものです。

リレーでは、一人が走る長さが50mから100m位であることが多いです。

しかし、「ミニ駅伝」では、一人が走る長さをリレーよりも長く200mから300mとします。

一周200mから300mのコースを使って競走をしていきます。

 

ポイントの2つ目は「人数」です。

私がよくやるやり方は先ほど書いたような一周200m位のコースを使い、合計で6周の勝負をします。

人数は、最大で3人までとします。

3人組ですと、1人が走る分は2周です。

2人組ですと、1人が走る分は3周です。

1人ですと、1人が走る分は6周です。

 

自分で、一緒になる人数を選ばせてから、走ります。

やったことのない人から見ると、これでは勝負にならないように感じるかもしれませんが、ほとんどの場合、大丈夫です。

走るのが得意な子どもは、少ない人数を選びます。

苦手な子どもは、3人組を選びます。

そのように上手くバランスがとれてきます。

 

この「ミニ駅伝」では、走るのが得意な子どもは、長い距離を走るので、持久力を伸ばすことができます。

苦手な子どもは、走る距離が短くとも、全力で走ることで、持久力を伸ばすことができます。

走るのが苦手な子どもは、持久走の練習などで、諦めてしまうことが多いのですが、この「ミニ駅伝」では、がんばって走ります。

その理由は、応援してくれる人がいるからです。

「ミニ駅伝」は、チームで行っており、1人で走っている訳ではないので、走っている時に応援してくれる仲間がいます。

また、チームで取り組んでいるので、タスキ(実際にはタスキは使いませんが・・・)をつながなければなりません。

そういったことががんばりにつながるようです。

 

対照群を設けて、持久走における「ミニ駅伝」の効果について調べてことがあります。

走るのが好きな子どもの意欲が高まることは想像できると思いますが、この「ミニ駅伝」では、あまり走るのが好きではない子どもの意欲に高まりが見られました。

先ほども書いたように、通常の持久走練習よりも応援されることなどが影響されているようです。

 

持久走の学習は、様々な学びがあります。

ぜひ、充実した学習にしてください。

 

 

「ミニ駅伝」などの実践をまとめてあるHPがあります。

興味のある方はご覧ください。

鈴木 邦明(すずき くにあき)

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。

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