2012.04.05
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初めての宿題は「手品」!?

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明

新年度が始まります。

本当にこの時期の日本は本当に素敵だと思います。

桜を始め、様々な花が開花し始め、街が生き生きと華やかになってきます。

 

ところで、今回は、新年度に私が心掛けていることについて書きたいと思います。

新年度には、新しいクラスで、できれば「今年のクラスは楽しそう。」という期待観を持ってほしいと思っています。

そこで、毎年私が行っていることが「手品」です。

子どもが驚くような手品をします。

目が点になり、口をぽかんと開けてこちらを見ている子どもが続出です。

定番は、赤いハンカチが出て来る手品なのですが、以前、兄姉を持ったことがある子どもがいると仕組みがばれてしまうので、いくつかのバリエーションを持っています。

 

そして、手品の仕組みを考えるという「宿題」を出します。

先ほど書いたように、「今年のクラスは楽しそう。」ということが家にも伝わるようにという意図があります。

宿題は、親、兄弟など誰に聞いても良いということにしています。

家で「こうではないかなあ?」とか「いや、こうだよ!」などの会話になることを願っています。

次の日、子どもが家に帰ったら、「ところで先生の手品はどうだった?」という話題になります。

学年が大きくなると、学校の話題を家でしない子どもも増えてきます。

宿題に家族を巻き込むことで、新年度から家で学校の話が自然にできるような仕組みになっています。

 

また、これは、宿題をしっかり出すという決意表明でもあります。

毎日、しっかりと宿題を出すということも伝えます。

通常は、普通の宿題(漢字や音読など)なのですが、たまには手品の仕組みを考えるようなものも混ぜることを伝えます。

 

それと、宿題をきちんとやらせるための確認でもあります。

全員の子ども達に、前に出て、考えてきた手品の仕組みを言ってもらいます。

「考えるのを忘れた。」という子どもが数人出てきます。

宿題はきちんとやるものであるということを伝え、その場で考えさせます。

宿題をきちんとやらなければと思わせる仕掛けです。

 

さて、種明かしの時間はとても楽しい時間です。

仕組みが分かった子どもは、ニコニコしながら見ています。

教室の雰囲気がとても柔らかいものになります。

皆で一体感を持つこともできます。

 

毎年、こんな感じで一年をスタートしています。

今年も良いスタートがきれるよう、これから手品の練習をしたいと思っています。

 

皆さんも良いスタートがきれることを願っています。 

鈴木 邦明(すずき くにあき)

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。

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