アグネスの教育アドバイス:障害を持つ人との付き合い方は?
子どもに問われたらどう答える?近年、軽度の発達障害を持つ子どもが増えつつあり、教室の中でこのような子どもたちと一緒に学ぶ機会が以前より増しています。 すると、子どもから「どうして●●ちゃんは、じっとしていられないの?」など、障害について問われる親御さんも少なくないでしょう。その時、あなたはどう答えますか? 重度の身体、心身障害も含め障害者について、子どもたちにどう伝え、導けばよいか。今月は、障害者との付き合い方について考えてみます。 みんな障害を持っている先に「障害者との付き合い方」と書きましたが、私は、人間誰しも障害を持っていると考えています。例えば、私自身は視力が悪く、それも障害の一つと言えます。太っている、やせている、極度の緊張症なども障害と言えば障害。みんな何かしらの困難を抱え、完ぺきな人間などまずはいないものです。なのに、「あの子は障害者だから…」という理由で、子どもに友だち付き合いをさせないというのは、可笑しな話だと思います。 障害には外から見えやすいものと、見えにくいものがあります。「視力が悪い」などはコンタクトレンズを装着してしまえば他人からはわかりませんから、見えにくい障害と言えるでしょう。歩行が不自由で、車椅子や松葉杖を必要とするのは、見えやすい障害と言えます。もし子どもが障害について何か聞いてきた時には、「見えやすい場合とそうでない場合があるし、お母さんもあなたもみんな、何かの障害を持っている。だから、誰とでも意識せずに自然に接しなさい。その人の一番美しい所や、自分と気が合っている部分を見つけて、それを尊重して付き合うことこそが大事ですよ」と教えてあげましょう。 ![]() 一方、学校では学習障害を持つ子どもたちが増えています。学習障害も、特定の行動が目立つケースが多いことから、目に見えやすい障害の一つではあるでしょう。そのような子を前にした我が子には何と説明してあげるべきでしょうか。私でしたら「昔は、たとえ机にじっと座っていられない子であっても、家畜を上手に飼ったり、力持ちなら畑仕事で重いものを持ったりと、十分に自分の能力を活かして生きていく場がありました。今は、あなたくらいの年齢の子はみんな学校に通って勉強をすることになっているから、じっと座っていられない子が目立ってしまっているだけ。逆に、昔だったらあなたには何ができる?」と問いかけます。時代が変われば、生きるのに望ましい力も変わっていくものです。生きる時代や場所によって、障害にもいろいろあることを、子どもの年齢に応じてわかりやすく説明してあげてはいかがでしょう。 障害者にも社会で生きる意義がある日本ではまだまだ、身体・心身などの見えやすい障害を持つ子どもの家族は負担が大きく、苦労も絶えないのではないでしょうか。実は、私の弟は障害者で、今でも親戚から「食事会に弟さんだけは連れてこないで」と言われることがあります。そんな時、私は悲しくは思いません。むしろ「ああ、人は誰でも障害を持っているのに、そういうことがわかっていない人たちがまだいるんだな」と思います。この世の中に無駄な人間など一人もいません。現に、私の実家の結束が固いのも、母が長生きしているのも、弟の存在のおかげなのです。 欧米では宗教の影響もあり、「社会的弱者を助けるのは当たり前」という文化がありますが、日本ではどちらかというと「人様に迷惑をかけてはいけない」という文化が根強く、目に見えやすい障害を持つ人には生きにくい社会かもしれません。しかし、もともと人間は誰しも他人に迷惑をかけながらでしか生きていけないのですから、本当は“お互い様”なのだと、私は考えます。 子どもには小さい頃から、誰もが何かしら障害を持っていて、他人に迷惑をかけながら、助け合いながら生きているんだ、ということを家庭で、学校で教えてあげれば、きっと誰もが生きやすい社会になるのではないかと思います。
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アグネス・チャン 教育インタビュー





