アグネスの教育アドバイス:携帯電話、コンピュータゲームをどう使わせる?
面白さ・便利さと背中合わせの危険性学校が休みだからといって、コンピュータゲーム(以下、ゲーム)に一日中没頭している、あるいは夜遅くまで友だちと携帯電話のメールをやりとりしている子、いませんか? 確かに、携帯電話は便利ですし、インターネットを利用すればいろいろな情報とつながって世界が広がるという魅力があります。そこには大人でもつい夢中になってしまうほどの面白さがあるからだと思います。 しかし、そうした利便性の影に危険性が潜んでいるのも事実。携帯電話からアクセスできるインターネット上には麻薬や性犯罪、架空請求やワンクリック詐欺などに巻き込まれる恐れのある有害サイトがあります。また、深夜までメールのやりとりをして生活リズムを崩すなど、健康面への心配もあります。ゲームのやりすぎも、睡眠不足や視力低下など健康への悪影響があるでしょう。イギリスでは、電磁波の影響を考え子どもの携帯電話使用は避けるべきとの勧告が出ているほど。日本ではあまり議論されませんが、この問題は軽視できません。 そして私がもっとも懸念するのは、子どもが携帯電話やゲームの中毒になることです。 中毒や現実逃避に陥る子もいる!?携帯電話のメールはいつでも、どこでも、寝転がっても文章を打てます。ゲーム遊びは、画面の中で次々に難関を突破し、強敵を倒しながらだんだん興奮してハイになっていきます。この安易に得られる快感がやがて癖になり、中毒に陥る子も出てくるのです。 中毒になると現実の世界が全部つまらなく見えてきます。いつでも自分の思い通りに操作できるメールやゲームと違って、現実の友人関係や勉強、クラブ活動などには複雑で面倒なことがたくさん起こります。もしもゲーム中毒の子どもがこれら現実の壁に直面したらどうなるでしょう。恐らくパニックを起こすに違いありません。自分の思い通りにならない現実世界への興味や意欲を失っていくかもしれません。 ![]() 現実逃避をしても当然、悩みや問題は解決できずに残り、それを避けるためにますます仮想的世界の快感にのめり込んでいくでしょう。そのうち何をしていても「早く家に帰ってゲームをやりたい」と思うようになり、気がついたら携帯電話をいじっていた、という状態になります。勉強するときでさえ、携帯電話を持っていないと集中できないという子どももいるくらいです。それがないと他のことが手につかず、取り上げられると苦しくなるのは、まさにタバコやアルコールの中毒と同じです。 もちろん個人差があるので、誰もが必ず中毒になるわけではありません。逆に、絶対安心ともいえないのです。実際、我を忘れてゲームや携帯電話に熱中する姿を見て「この子、大丈夫かな」と不安を覚えている方は多いのでは? 子どもが自分で自分をコントロールするのは難しいもの。だったら、ここは大人が歯止めをかけてあげるべきでしょう。 大人がリードし使用時間を減らす工夫をまずは、使用時間を少しでも減らすことが大切。とはいえ、無理に取り上げるのではなく、携帯電話やゲーム以外にも楽しい遊びがたくさんあることを教え、子どもを振り向かせるのです。 たとえば私がよくやるのは散歩です。「アイスクリームを食べにいかない?」「近所のネコを見にいこう」などと子どもを誘って、おしゃべりしながら歩いたり、公園の小川に葉っぱを浮かべてレースをしたり。ファッションに興味を持つ年頃なら「バーゲンに行こうか!」と街へ連れ出すのもいいですね。 小学校低学年くらいまでなら、本の読み聞かせもおすすめです。我が家では小さい頃から息子たちに読み聞かせをしてきたおかげで、皆本の虫になりました。ゲームはずっと禁止していますが、「読書のほうが好きだから」と不満もないようです。 使用時間を減らす以外には、使っていい場所や時間帯、アクセスしていいサイトを決めるなど、具体的な制限を家庭のルールとして設けるといいでしょう。これについては学校の役割も重要です。利便性と危険性を教えるだけでなく、たとえば「夜8時以降は友だちにメールを送らない」といった学校のルールを作り、皆で参加すれば、深夜までメールのやりとりをする子どもも減るのではないでしょうか。 家族で過ごす時間が増える夏休みこそ、携帯電話やゲームの使わせ方を変えるチャンス。夜更かしを減らし、太陽の下で遊び、学ぶ、元気いっぱいの子どもたちであってほしいものですね。 構成:学びの場.com/イラスト:あべゆきえ ※写真・イラストの無断使用を禁じます。 【関連記事】
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