かむための食事を考えよう【食と健康】[特別活動]

食生活の変化によって、あまりかまなくてもよい食事が増えています。ハンバーグやカレーなど軟らかく食べやすいものが増え、子どもたちは軟らかいものを好んで食べるようになりました。おやつも軟らかいものが多くなり、「かまない、かめない」子どもが増え、健康上の課題も出てきています。かむことの大切さを知り、かむ回数の多い食べ物を選ぶことについて考える4年生の1時間の授業です。

ゼリーとせんべいを食べ比べる

子どもたちに好きなおやつを聞いてみます。チョコレート、プリン、ドーナッツ、スナック、グミ等、どんどん意見が出てきます。そこで教卓の上に、ゼリーとせんべいを出します。
「どっちを食べたい?」
 と聞くとゼリーの方が優勢です。
「両方食べてもらいますから、かんだ回数を数えてね」
 と指示します。

かむための食事を考えよう【食と健康】[特別活動]

子どもたちがニコニコしながらゼリーとせんべいを食べ終えた後、ゼリーは何回くらいかんだか聞いてみますと、0から20回程度でした。
「すぐなくなる」
「軟らかくなった」
「かんだ感じがない」
「口につく」
 等の意見が出てきます。

次にせんべいについても聞きます。15から98回となりました。
「のどを通りにくい」
「かみにくい」
「かんでいると味がよくなった」
「唾液がいっぱい出てきた」
「あごが痛くなってきた」
 等の意見が出ました。

よくかむと、よいことは?

 「みんなも知っているように、食べる時によくかむと体にいいことがありますね。これまで教わったことを話してください」
  と聞くと、
「消化吸収がよくなる」
「歯並びがよくなる」
 等の意見が子どもたちから出てきました。そこで教師からも、脳の働きが良くなること、歯の病気予防になること等も説明しました。虫歯予防については、ぴんとこない様子でしたので、よくかむ歯とかまない歯の写真を比較して、歯並び、歯茎の色に注目させました。

どんな食べ物がかむ回数の多い物?

 「かむというのは食べ物をかみ砕くだけでなく、様々な効果があります。かむ回数の少ない食べ物だけでなく、かむ回数の多い食べ物も食べていきたいね。どんな食べ物があるかな」
 と聞きます。スルメ、ピーナッツ、煎り大豆、コンブ、等の意見に交じって
「給食によく出てくる」
 と給食の献立に着目する子もいます。が、出てくるのはいずれも堅い食べ物ばかり。食物繊維の多い物には誰も気がつきません。
「かむ回数の多い食べ物は、堅い物だけかな」
 と聞くと、
「かみごたえのある物……?」
「そうだ、たこ焼きのタコ!」
「やわらかいけど、かまないとのどを通らない」
 と子どもたち。
「そうそう、それをかみごたえのある食べ物っていうんだよ」
 と教えると、
「じゃあ、ゴボウ」
 と、やっと食物繊維の多い食べ物が出てきましたので、
「いいところに気がついたね」
 と続けて、タケノコ、キノコ、海草等の食物繊維が豊富な食べ物は、かみ切らないと飲み込めないので、かむ回数の増える食材であることを説明しました。また、干しシイタケや油揚げ、イカ等の弾力性に富む食べ物もかみ切りにくいため、かむ回数が増えることを話しました。

最後に、
「食材だけでなく、食べ方によってもかむ回数は増えます。何か知っているかな」
 と聞くと、子どもたちからは、
「ゆっくり食べる方がいい」
「昔のおやつはよくかんで食べていたので、おばあちゃんに作ってもらうおやつがよい」
 等の意見が出ました。

そのほか、濃い味つけよりも薄味の方が、味がするまでかみ続けるので、かむ回数が増えること、急いで流し込むように、あるいは水を飲みながら食べるのではなく、ゆっくり時間をかけて楽しみながら食事をするのも、かむ回数を増やすコツだと話して終わりました。

文:藤本勇二 イラスト:あべゆきえみうらし~まる〈黒板〉

授業の展開例

昔のおやつは、干し芋やスルメ、煮干しなど、まさに「かめばかむほど味が出る」物ばかりでした。昔のおやつはどんなものがあったか調べてみましょう。

「こめかみ」という言葉は、かむことに関係があります。名前の由来を調べてみましょう。