中秋節を友人宅で祝う

今回は、ネイホウシリーズの第2回の記事でも少しお話した、HKCEEとHKALEの2つの共通テストについてレポートします。

ネイホウシリーズを始めて閲覧される方は、シリーズの第2回目を先にご覧になることをお勧めいたします。
http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,5967,170,html

HKCEE(Hong Kong Certification of Education Examination)香港教育検定
セカンダリースクールの5年生(16-17歳)のときに受けるテストです。このテストの結果によって大学予科に当たる残り2年のセカンダリースクールへの入学が決まります。テストの結果は教科ごとに合格の場合はAからEで表されます。学力が基準に満たないと判断された場合は、F(落第)またはU(圏外)になります。このテストの結果によっては、それまで5年間通った学校から他の学校へ移ることになります。

このテストには全部で45もの科目があります。(ほとんどの教科にはレベルの異なる2種類テストが用意されている)最小受験科目数は6科目で、英語・中国語・数学が必修です。この3科目以外は生徒各自が選択・受験しています。受験科目数については、基本的に受験者の所属する学校が数を指定するそうですが、8科目が一般的のようです。主に大学進学を目指すレベルの高いセカンダリースクールでは、9科目、10科目と多数の科目の受験を課すといいます(10科目が最大受験可能教科数)。

受験科目が45と多い理由は、日本の中学生が受けるような「国語・算数・理科・社会・英語」といったような大科目ではなく、例えば社会であれば「地理・歴史・経済・会計」というように各科目が細分化されているからでしょう。必修3科目以外は自由に選択できますが、科学系・人文系・経済系とある分野から1つを決め、その分野内で受験科目を決めなくてはなりません。学校によってカリキュラムが異なるため、科学系の授業数が少ない学校では必ずしも全員が科学系の授業を履修できるとは限らないのが現状だといいます。振り分けテストで満足な成績が納められなかった生徒は、まさに門前払いを受けてしまうのです。多くの学生が、義務教育であるセカンダリースクール3年(満15歳)のときにどの科目をHKCEEで受験するか決めるといいます。つまり、15歳の時点で自分の専門を決めなくてはならないのです。

いわば、香港の子供たちは15歳という年齢で、自分の将来を決めなくてはいけないということです。日本では、高校受験・大学受験とも私立であれば異なる学科を併願して受験することは可能ですし、考えてみれば、願書を提出する直前まで志望する学科を変更することもできるのですから、この点においては香港よりも自由だなあと思います。

HKALE(Hong Kong Advanced Level Examination)香港上級試験
大学進学を目指す生徒たちは、HKCEEの結果で大学予科への進学を決めたのも束の間、入学と同時に次なる関門となるHKALEへ向けて猛勉強を始めます。

HKALEでは、生徒が受験する科目はやや少なくなり、必修も英語と中国語の2科目のみとなります。HKCEE同様、ほとんどの教科で2パターンのテストが用意されています。A(Advanced)レベルとAS(Advanced Supplemental)レベルがあり、2つのASレベルの試験に合格すると、Aレベルの試験1つに合格したのと同等に扱われます。HKALEを受験する時点で、大学進学を目指していることを意味するため、生徒はほぼ全員大学入学の条件である、必修2科目とそのほか2つの教科でAレベル合格を目指します。

今回は、HKALEの英語の試験に注目してみました。英語の試験では、当初は聞き取り、長文読解、英作文、言語の仕組みなどが主な内容でしたが、1994年から20分ほどの口頭試験も追加されました。日本で多くの高校生が受験するセンター試験の英語の試験では、ようやく2006年度からリスニングテストが導入されることを考えると、香港の学生たちは大学での専攻に関わらず、より実践的な英語力を求められていることは明らかです。

例えば、口答試験では、受験者が試験官に決められた質問をもとにインタビューするパートと、受験者同士による短いグループディスカッションの2つのパートから成り立っています。両パートは同じテーマのもとで展開されますが、与えられたトピックをいかに自分と関連付けて考えることができるかが重要で、さらにそれを自らの言葉で相手に伝えることができるかどうかが鍵です。

HKALEの各教科で"良い成績"とされるAからCまでの評価を勝ち取るのは大変難しいと聞きます。レベルの目安として、AレベルはTOEFLEのペーパーベースの受験で613点(コンピューターベース受験の場合257点)に相当するといわれ、Cレベルであっても同様に571点(230点)に相当すると、公の教育機関が示しています。比較的高い評価を得やすいと言われている、HKALEの前の段階のHKCEEでさえ英語でCレベル以上を取れる受験者は、全体の10%に満たないのです。(2000年実施の結果。他の教科では、中国語で約14%、数学で25%程度。)HKALEの試験でCレベル以上を勝ち取る受験者の数は、より少ないといわれており、このテストがそれだけハイレベルで生徒間の差が大きく開くように設計されているのが窺い知れます。

このように、香港のセカンダリースクールの生徒たちは、2つの試験でよい成績をとることに集中した7年間を過ごし、そして大学に進学していきます。そんな環境で勉強してきたためか、学生たちは教授たちから課題を出されるごとに、評価の何パーセントに加算されるかを必ず口にします。グループ課題でテーマを選ぶ際にも、「このテーマは他のグループにも人気だからやめようよ。」といったように、他の人との差別化を図ることにも熱心です。このような厳しい受験戦争を勝ち残ってきた彼らの多くは、より自由度の高い学びの場である大学で学んでいても高い評価を得ることに集中する傾向があります。今まで経験してきた香港の特有の学習環境が、学生たちの学習スタイルに大きく影響していることは間違いなさそうです。

(取材・文 須藤綾子)
 


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