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■外人パワー炸裂!at シアトル
「ママ、お誕生会では、ホットドッグもチーズバーガーもNGよ。ルアーナは、ビーフ食べないからね」
お誕生会の献立を考案中のわたしに6歳のお誕生日を前にした長女がいった。
「へえ、幼児の好物なのになんで?」
きょとんとするわたしに
「ママ、ルアーナは、インドからきてるの忘れたの?」
と娘が諭す。
「ああ、そうか」
そうなのだ。彼女はヒンズー教信者だから神聖なる牛は口にしないのだ。マクドナルドにいってもチキンナゲットしか食べない根性が立派だ!と娘はいつも感心してたっけ。
プリスクール(キンダーガーデンの前2年間)、キンダーガーデン(小学校あがる前の1年間)とシアトルの学校通学暦3年の娘のクラスにはいつも「ガイジンさん」がいっぱいだ。
マイクロソフトを筆頭とするハイテク産業のメッカシアトル。 世界中からハイテク移民が流入を続け、 ちょっと前まで西海岸の最果ての小都市だったのに いまやシアトルは、人種のるつぼのコスモポリタン都市に変貌したのだった。
おかげで学校がおもしろい。 いままで「白人」ばかりだった学校は、いろんな肌の子供たちでとってもカラフルになり、それも世界各国からのエリートのご子息が集っているので、シアトルの学校のレベルはどんどんあがるといった教育委員会のおじさんおばさん大喜びのうれしい状況を生み出している。
長女の仲良しは、シドニー(FROM香港)、せーラ(FROMイギリス)、ケイラン(FROMイラン)、ナシーア(FROMトリニダッド)、リナータ(FROMブラジル)、ポーラ(FROMルーマニア)。毎日日替わりでいろんな国の子が遊びにやってくる。幼少からこうして世界中の「ガイジンさん」とごく普通に付き合っている娘に感動さえ覚える今日このごろ。ルアーナたちのビーフ問題しかり、毎日いろんなカルチャーに接している娘は「十人十色」を日々の暮らしで体感し、異文化を尊重する心をもって育っている。ああ、ありがたや。シアトル万歳!
■目指せトライリンガル!
ガイジンキッズは、英語と母国語を上手に使いわけて生きている。 学校の友達とは、なまりのないきれいな英語で、親とは、母国語で。英語のほうが得意になっても「母国語を忘れるべからず」と家庭では英語禁止にする親が多い。 我が家でも、「標準語は日本語」と定めてあるので
「ママのうそつき!いい子にしてたらアイスクリーム買ってくれるっていったじゃないか!」
「うるさい!あんたのどこがいい子なの!いうこときかないとおまわりさんとこつれてくわよ!」
といつでもどこでもわたしたち親子は日本語で会話を楽しんでいる。
このように外で、娘と日本語で語りあっていると(怒鳴りあっていると)、いつも熱い視線を感じてはっとする。
「な、なんだ?」
とふりかえると、いつもそこには
「いいなあ、バイリンガルで」
と、不気味な外国語を操るわたしたちを、うらやましそうに見つめるアメリカ人の姿があるのだ。
ちゃきちゃきのアメリカ人のみなさんは、英語しかしゃべれない面々が多い。 英語は世界の共通語!とおごって生きてきたものの、 こうもまわりにうじゃうじゃ外国語と英語を上手にを操る子供たちがいると、 英語しかしゃべれない自分の子供が情けなくなってくる。
アメリカの学校では、プリスクールから外国語を習う。(スペイン語が主流) すると、ガイジンキッズは、3、4歳にして三ヶ国語目を身につけはじめる。バイリンガルを超え、トライリンガルへの道を歩むのだ。 英語しかしゃべれないアメリカ人は、
「せめて、うちの子もひとつくらい外国語がべらべらになれますように!」
とガイジンキッズに触発されて、バイリンガル祈願が増加中。
そのためIMERSION(イマ―ジョン)プログラムの人気が高まっている。 これは、コアの授業を外国語で教えるプログラムで、最近の公立小学校の流行のプログラムだ。学校内の一部で、半日分の授業だけ外国語にするところもあれば、 学校全体が朝から晩まで外国語ですべての教科を教えるといった ところもある。アメリカの小学校にはキンダーガーデンが併設されていることが多く、 このようなプログラムはキンダーから4年生までを対象にしたものが多い。 (4年生で小学校は卒業、5年生からはミドルスクール、9年生からハイスクールとなる)
長女のプリスクールの同級生のシシリアは、キンダーガーデンから 「朝から晩までスペイン語」の公立校に入った。
「なんでまた?」 とお母さんにきくと、 「べっつにー」 と能天気な返事。 「もう英語は読み書きできるの?」 「ぜんぜん」 「なのにどっぷりスペイン語でいいわけ?」 「いいんじゃない、外国語できたらかっこいいもん」 という。
外国語コンプレックスは、万国共通なり。 このまま外国語ブームが続いてくれれば、うちの娘も 日本語をしゃべれることを「かっこいい」と思ってまじめに 日本語学校に通うかなあ…… ガイジン母は、外国語ブーム継続を祈願してやまない。
(イラスト:MIL)
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